解説:第五夜 修羅場に楯
BGM:修羅場 楯
バクペディア:
今回のバクペディアは、『陰陽思想』と『五行思想』。古代中国の東洋神秘の根源ともいえる思想は、現代日本にも今もなお強い影響を与えています。(美術館の解説音声的な感じで)
ここに五行やら陰陽やら持ってきたのは、『雲児と空船の関係は陰陽なんだぜ~』『こいつらの存在自体が陰陽なんだぜ~』っていう伏線でした。
どっちかが傾けば片方も傾くし、どっちかが眠ればどっちかが目覚める。そんな月と太陽のような、朝と夜みたいな関係です。
空船と雲児は、離れて生きることができるようには出来ていないのです。
照朱郎さん:
彼が出てきたのは、まだはっちゃけ怪奇ファンタジーを諦めきれていなかったからです。
え?まだ諦めてなかったの? はい。諦めていませんでした。わりとこの先も未練がましくコメディに舵を取りたくてウズウズしています。この時点では15万文字くらいで終わるつもりでいたのです。ほんとですよ。
孕み人魚には、雛形ともいえるプロットがありまして、照朱郎さん始めとした『新時代百鬼夜行同盟』の学生たちはそっちのキャラクターでした。
当時、これを書いたらそっちも続編的な立ち位置で続けて書くつもりだったので、ゲストキャラ扱いで登場させたのです。(どうせ瑞子さまは出るしね……)
「合間に挟む笑いが良かった」と言ってもらえたので、緩衝材として百鬼夜行同盟のみんなにはお世話になりました。
お前らの話もちゃんと書きます。ちなみにこっちは亜砂子が主人公です。
先日プロット読み返したら、登場人物の陽気さに反して、ドロドロにグロくてズンドコ重かったので、体力と暇のある時に取り掛かりますね。
BGM:
♪戻れるならもっともっと大事に愛しただろう……
後悔を歌う曲が続きます。
椎名林檎さんの『修羅場』は、夏の歌です。
本編は秋真っ盛りなので、これは彼らが持つ『記憶』をあらわす歌と解釈してお聞きください。
作中の夏といえば、照朱郎が雲児を人魚沼に誘った夏であり、雲児と瑞子が出会ってしまった夏であり、雲児がすべて思い出した夏であり、克巳と玖三帆が死んだ夏でもあります。
♪短夜半夏 嘘を眩むとぞ 疑うなんて 浅ましいです
♪これ以上 識りたくなどない 一層この侭 眠っていられたら好いのに……
『楯』は、よく、もういない人へ(つまり死んでしまった人へ)向ける、生者の後悔の歌として挙げられます。
生者が死者への献身の足りなさを悔いているように聞こえる曲です。
♪私など裂けてもいいの……裂けてもいいの……
『楯』は、次話の『今日も雨』との対比として入れました。
歌詞を改めて見直すと、空船と雲児というよりは、玖三帆と克巳の曲のような気がします。
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