第26話「第二章」その12
「春日井から連絡です。架橋部隊が出発、中央線高架下付近を目指すと」
「了解。天神橋と矢田川橋の間だな」
守山駐屯地・東海統合運用本部。本部長・川越 昭光は地図で確認しながら応答する。偵察隊による調査の結果、架橋は堤防道路がJR中央本線の下をくぐるため河川敷へ下りる部分があることを利用し、自走式架橋装置ではなく浮きを利用した応急橋によって行うこととなった。矢田川は水深が浅く実際には高機動車なら橋なしでも横断は可能と見られていたが、万が一の際を考えての措置である。また装備が大掛かりにならずに済むため市民団体の目を誤魔化せるというのも狙いだった。合法的に道を空けることの出来る警察が動けない今、なりふり構ってはいられない。
(頼む、何とかもってくれよ……)
川越は警察の機動隊に対して、心の中で祈っていた。
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