目が覚めたら床がなかった話

アブラちゃん

落ちる

目を覚ますと真っ暗だった。ベッドから一歩足をふみ出したら、そこには床がなかった。

暗闇の中を落ちていく。ただただ、落ちていく。加速していく。

人間は環境に慣れていく生き物らしい。しばらく落ちていると、だいぶ「落ちること」に慣れてきた。


気分もほんの少し落ち着いたところで考えた(もちろん落ちながらだが)。

これはなんだろう、夢の続きなのだろうか。いや、意識ははっきりしている。それに、何も見えない。真っ暗だ。ここは外なのか、家の中なのか、どこまで落ち続けるのか。


周りに何もないし、することもない。ただただ暗闇の中を落ちていくだけ。

今、自分にできることは特にないようだ。

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