転生した転校生
帝尊(ミカドミコト)
第1章 成しうる者が為すべきを為す
1. 美少女転校生からのお誘い
「如月くん、ちょっときて」
ある日、いつも通りに学校からの帰り道、一人で家に帰宅しようとしていた俺の前に、つい最近、学校に転校してきた四宮シノアが、息を切らしながら走ってきて、そのまま俺のを手をつかむなり俺を連れ去った。
え、え、え
この後の展開が、もしかしたら誰もがうらやんでしまうような流れになってしまったらと期待しちゃっていいのか?
このシチューエーションはいったい何だ。
四宮シノアははっきり言って、世の中見渡してもトップクラスに可愛い。
スタイル抜群にサラサラなロングヘアー、白い肌にちょっとだけ釣り目具合の大きい目。
この子からお誘いがくるなんて、もしかしたら俺はあるキッカケでモテ属性を発動されてしまったのかもしれない。
まーお誘いだと思っているのは、俺の都合のいい思い込みだが。そしてキッカケとか言っているが、仮にキッカケがなにかあったとしても全然思いつかない。っというくらい今まで接点がなかったのだが。
さーなんでも言ってくれ。
君から告白されて、なんで俺。なんて返答しながらも、少し考えてから、もっとお互いを知り合ってからのほうがいいから、とりあえず中のいい友達になろう。
なんてシュミレーションは立ててみる。
しかしながら人生そんなにうまく行かないことのほうが多いから、もしかしたら俺は意識していなかったが、俺の目線がいやらしいからのクレームかもしれない。一応そのパターンの返答パターンも想定しておこう。
っといろいろのルートを考えておきながら、一旦無難な返答をしてみる。
「いきなりついてきてとか、どうした?息を切らして、誰かに追われてるのか?」
実際に誰かに追われていると、結構自分的には怖かったりして、そんな冷静なことはいってられないのだが、ぱっと見、誰かに追われてないことはわかっていたので、そういってみた。
「いいから、ついてきて」四宮シノアはぶっきらぼうにそういうと俺の手をさらに強く掴み、走り出す。
あれ、ん??
おいおい。
なんだか自分が想像したようなムフフなルートではなかったのかと四宮シノアのリアクションから感じ取れてしまった。
仮にも好かれたいと思っている相手に最初は恥ずかしくて、手を引いたとしても、その理由を問われれば、すこし恥ずかしそうな対応をするのが、俺の中での女子像なんだが。
正直、あまり女性というか人と接していないので、ソースは自分にとって都合のいいマンガかラノベ。
まだあきらめちゃいけない。もしかしたらツンデレなのかもしれない。
一旦都合のいい解釈はおいといて、本当にどこかに連れて行かなくてはいけない場所があるのか、そしてそれは本当に俺じゃないと駄目なのか全然わからないけど、不安と興奮に入り混じり、動悸がすごくなってきた。
しかし女の子の手って小さくて柔らかいんだな。
もちろんそんな変態発言をすることなく、本気を出せば四宮シノアよりももちろん早く走って、逆に引っ張ることもできるのだが、行き先がわかららないので、引っ張られる状況を続けて一緒に走り続ける。
ある程度、走りきったところで
「ハァ、 ハァ。もう、大丈夫」
そういうと四宮シノアは手を離し、ゼーハーゼーハーいいながら、その場にしゃがみこむ。
しかし、結構走ったな。
俺も本当は無理ー。もう歩けなーい。っと言って地面だろうがなんだろうが寝転がりたいところだが、ここはカッコつけておきたいので、足がガクガク震えるの悟られないように我慢して、息切れもゼハゼハいうとカッコ悪いので、無駄に深呼吸して、息を整えながら
「ふーー。どうしたんだよ一体。なにがあったんだ?」
「実は追われてるのは、私だけじゃなくて如月くんなんだよね。いきなりだけど」
一見ならぬ、一耳というか、耳を疑いたくなるような言葉から始まり四宮は続ける。
「今からいうことは如月くんの今まで生きてきた価値観とはまったく別次元の世界の話をするけれども。この世界とはちがう世界から私は来たっていったら信じられる?」
いきなり、俺に何かを試すような質問をしてくる。
もちろんだぜ。
信じるよ。
って答えるのも危ないやつな気がするし、そもそも四宮シノア自体も今、危ないやつな発言をしているので、どうにか波風を立てない答え方を考えて見る。
「それって、どういうことだ?生きてる世界が違うとかそういうことか?」
完全な電波疑いの対応をしてしまって、嫌な気分にさせてはいけないと俺なりにどうとでも取れる聞き回ししたナイスな切り返しは、虚しく、
「ふー」
あ、四宮シノア、ちょっと馬鹿にしたようなため息しやがったな。
っともちろん、心の中でのみ発言する。
「まー、想定通りのリアクションで、わかってはいたけれど、やっぱりそのわかった風な質問返しがちょっとイラっとさせるわね。そういうふざけた話じゃないのよ」
四宮シノアはキレた口調で返してくる。
いやー、これでキレられても俺まじで困るっす。
っが、ここは俺が小さい子で、泣いていて、声かけられたら泣く子も笑顔になっちゃう美少女コメント。
ここはひとつ四宮シノアの土俵に乗って会話をしていこうじゃないか。電波の可能性は非常に濃厚になってきたが、一旦は受けれてあげるのが得策とみた。
「わりー、あまりにも唐突すぎるっていうか、俺、頭悪いからさ。俺がわかるように教えてくんない?」
「如月くん、確かに頭はよくなさそうね。移動中もニタニタへんな顔してたし、正直キモかったわよ。わかった。如月くんの頭でも理解できるように切ないしてあげる」
四宮シノアは、しれっと俺をディスりながら、そしてしっかりとキモいというMが喜びそう言葉を吐き出して、説明してくれた。
ちなみに俺はMではない。むしろSなつもりだ。
「如月くんがいる世界はAという世界だとすれば、私はBという世界から来たの。場所は同じ地球で、同じ日本という場所だけど、場所が同じだけで文化も違う。そして、私は目的を持って如月くんのいるAの世界にやってきたの」
ここまでの話だけで、相当ぶっ飛んでいて、そもそも頭がいいとか悪いとかって話ではない気がしたが、余計なことをいうとまたキレられそうだし、謙虚に答えるとそのままディスられたりと、なんだか四宮シノア、えらい接しにくいやつなんじゃないかと思いながらもそのまま頷く。
「もちろん時間軸も違う。如月くんと私の世界以外の世界や時間軸も存在していると認識をしてるわ。
そして、ここからが本題。歴史の資料とかにしっかり残っているわけではないから、正確な日時はわからないけれど、如月くんは今から数十年後にこの平行世界を行き来できてしまうキッカケとなるものを発明してしまうの。
私の世界ではタイムパラドックスボックスと呼ばれる、簡単に言えば、どの世界や時間軸にいけてしまうドアみたいなやつね」
なにそれ。なにえもんのなんとかドアみたいなものを俺が数十年後にサクッと作れるのかいささか疑問ではあるが、とりあえずまたうなづいておこう。っというか何十年後とかすごい曖昧だなー。
しかし俺は何も言わない。
空気が読めるジェントルマンだし、正直いうと真剣な返しをされるときの四宮シノアの目がなんか怖いのよ。なんどもいうが俺はMではない、Sだ。だから言わない。
「タイムパラドックスボックスは私の世界ではトンデモ代物として扱われて、権力者たちがこぞって手に入れようと躍起になってる。
主に権力者達にとっての都合いい過去改変が目的ね。もちろん未来を予期することを求める人も多いわ。
事態を重くみた組織は、ありとあらゆる世界や時間軸での如月くんを抹殺しようという動きをしてきていて、私達はむやみな過去改変を望んでいない組織だから、如月くんを殺させないのが目的。
それによって逆に私達も反抗組織としてのターゲットになってしまったけど。」
「私は、如月くんを生かすためだけにこの世界にやってきたってわけ。いきなり目の前に現れても不審者になってしまうから、転校生としてね」
なんだかすごい展開で、この興奮とドキドキは一体なんだろう。っという気持ちになりながらも、転校生としてやってきた四宮シノアは、きっと違和感なく俺と接するのが目的なんだと思うが、そもそも、俺とお前って今まで全然話したことないよね?
いきなり、連れ去ってさっと説明して。って。それってエージェントなら結構アプローチの仕方は、失敗なんじゃない?そんなツッコミをいれたいところではあるが、それはきっと地雷だろう。
やめておこう。
きっと彼女は社交性は低いんだろう。そしてわかったことはプライドも高そうだ。絶対自分が間違っていても謝罪しなさそうなタイプだ。選ばれたエージェントなのに。
「だから、如月くんには、しっかり生き抜いてもらいたいと思ってる」
どうやら俺は、異世界に転生しちゃって勇者になるのではなく、現実世界の未来でなんだかやってはいけないことをやってしまって、未来含めその他いろんな方々に迷惑をかけてそのケツ拭きの人たちが俺に何かしにくるようです。
異世界が逆にこちらにお邪魔してきたような話だが、これを現実として受け入れて、生きていくしかないのだろうと、自分に与えられた使命なるものが実はあったんだな。っと言った話である。
「OKOK。なんだか新しい価値観が全面的に押し寄せてきて、冷静にかんがえるとまずいのはわかったので、俺は四宮の言うことを信じるよ。それで俺はこれから何をしていけばいいんだ」
「さすが世界を混沌に陥れた発明のキッカケを作っただけあって考え方は柔軟ね」
あれ、さっき、あなた、俺のこと頭悪いってませんでしたっけ?
あ、これも心の声
「ありがとう。理解してくれてうれしいわ。そしたらありとあらゆる世界のために、未来のために、如月くんは英雄として、今から寿命までの間永遠に眠り続けてくれる?」
四宮は笑顔で俺に変な薬を渡そうとしてくる。
ちょいとちょいと、俺、救ってもらえるって話ではなかったのですか???
「あの、、、過去改変はよろしくない。って先ほどいいませんでしたっけ?」
予想だにしない、味方だと思っていた俺の物語のヒロイン候補は、いきなり敵キャラへと変貌してしまった。
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