第10話

「うぉぉぉお!私の刀!

しかもすうちゃんが作ってくれたやつ!」

「あ、それ一応試作品で今回終わったら作り直すから楽しみにしてね‼」

「いえっさー」

「じゃあ準備はいいか?

後、五分後に始めるぞ」


「すうちゃん!

すうちゃんは何で戦うの⁉そういえば生産職じゃん!レベルあげて私の好きなキャラのフィギュアを作ってくれないと泣くよ⁉」

「自分のためかよ⁉

まぁ、攻撃手段はないから痛くないように負けようと思って」

「スポーツマンシップに反することを堂々と!」

「スポーツマンじゃないからね?

自分は非戦闘員だから!」

そんなことをわあわあ騒ぎながらグラウンドの一角に案内される。

「そろそろ始めるか

初戦はスーで2戦目でユーだな」

「先程も言った通り痛くないようにすぐ倒してあげますよ」

なんか相手からいわれるとムカつくな、この冷血眼鏡め

だが私はさっさと負ける!


「始め!」

やっぱり魔法タイプらしい。なんかバスケットボールくらいの火の玉や水の玉を打ってくるがこれ当たったらやばいんじゃない?

いや自分、発想の転換だ!

これはドッチボール!当たったら負け!

ドッチボールではあてられず、かといってキャッチしたりすることもできない、延々と勝負がつかないからあだ名が一時期『不死身』になった…

あれ?目から涙が…

その間にもボールは投げられてくる。それをふらふらと歩き回りながらよける。

よけるというより運が良く髪に水がかかった瞬間に火の玉が飛んできたりする。(髪の毛は燃えなかった)


なんか間一髪でひたすら玉をふらふら避けていると大分、冷血眼鏡に近づいてしまった。それでも玉は当たらない。


んー?ここで攻撃をするべきか? 


そう考えながら反復横とびをしながら冷血眼鏡に

「玉をわざとはずさないで」

といってみる。

相手はイラついたらしく打ってくるがそれでも当たらない。

そのときだった。

《称号、幸運の愛し子を獲得しました》


おう‼なんかゲットしたよ!


…あ、やばい水溜まりに滑って転んだ。(その上を強力な闇魔法が飛んでいったことに気がついていない)

「ちょこまかちょこまかと!」

「逃げなきゃ死ぬ」

そうだ!

ゆうちゃんにもらった『かえんたけ』を乾かして粉末状にして風上からまく。

上手く目に入ったようでいきなり暴れだした。

「隊長、終わりでいい?」

「あ、あぁ」

かえんたけの粉末が浮いていると危険なので水をまき、排水口に向かうようにする。

「勝者、スー‼

次はユーだが戦う相手は倒されてしまったので希望者を募る。勝った者にはボーナスをつけよう」

そういうと騎士達が我も我もと手をあげる。



そしてその間に冷血眼鏡は医務室に運ばれていった。

かわいそーだな


「おめでとー!さすが外道!」

「外道じゃないしー

次はゆうちゃんだね‼」

「蓮華がいるから大丈夫!」

「蓮華、一応竹刀と同じ大きさ重さにしたんだ!」

「私、この戦いが終わったらきのこ探しに行くんだ!」

「それ、死亡フラグ!」

「あっ、ばれた?」

「ばれるよそりゃ」

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