前のエピソード――⑨

　《全知能保持者》

この世界には際限なき知能分野を保持したものが沢山いる。それこそ、《完全記憶能力》、《絶対音感》、《四色型色覚―テトラクラマシー―》、《反響定位―エコーロケーション―》、《遺伝子のキメラ現象》、《共感覚》、《スーパー暗算―サヴァン症候群に多い―》、《直観記憶》、《不死細胞》。

　だが、それを持ち《全ての知能を持ち合わせ、それを際限なく―進化―させた》存在がいたとしたら、今回、事件にあがった人間はまさにそれであった。

　興味深いのは、《再三、警察庁に―容疑者―が忍び込んだにも関わらず誰も認知できず、逃がし続けていた》事である。誰もその潜入に気づかなかった。何度逮捕しても、〝絶対に逃れてしまう〟のである。

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