第27話  「太陽コンビニ」🌞

 いよいよ、平行宇宙の太陽を見ながら、そのまま通過してしまおうという時でした。


 大きな「もーくん」が、窓の外を見ながら言いました。


『あれ、なんだろう?』


 みんなが、そこを見ました。


 なんだか、スーパーにある、がちゃがちゃの玉のようなものが浮かんでいます。


『不思議だなあ、中に何かあるよ。お家みたいなものだ。もう少し近いといいなあ。』


 「こんちゃん」が言いました。


『あはは、やはり、見つけましたね。見つかったら仕方ないですね。あれは、「コンビニ」です。』


『え!?』


 アニーの答えに、みんなびっくりしました。


『ここでは、太陽のそばに、コンビニがあるの?』


 「くまさん」が尋ねました。


『はい、そうです。あれはこの宇宙で、女王様が経営する「太陽系お気楽コンビニストアーチェーン」の「太陽支店」です。』


『なんだい、それは、魔女も聞いたことがないなあ。いったい誰が買いに来るんだい?』


『まあ、いろいろですよ。通りすがりの「宇宙人」さんとか、「地球」で働いている「宇宙人」さんとか、ですね。この平行宇宙では、すでに「地球人」と「宇宙人」はいくらかは、お友達になっています。ただし世の中に公表はされていませんが。』


『地球の人も来るのかな?』


 「ぱっちゃくん」が、とても興味深そうに尋ねました。


『地球人でここに来た人は、「女王様」のご関係の方とか、10人くらいだけです。例えば、女王様の地球にいる妹さんとか、お二人の婚約者の方とかですが。まあ、いまのところ、まだ「地球人」みんなに公開するのは早すぎると、「女王様」もお考えですから。うっかり見つかると、やっかいなことになるので、地球からは見えないように、移動しています。でも最近、少し、「しっぽをつかまれそうに」なってしまいましてねえ・・・。』


『え、しっぽがあるの?』


 「ぱっちゃくん」がびっくりして言いました。


『そうじゃなくて、見つかりそうになったってことなのよ。』


 アマンダが説明しました。


『でも、ちょっと、寄ってみたいなあ。』


 アマンダはそう付け加えました。


『だめだよ。遅くなっちゃう。「しっくん」が死んじゃう。』


『まあ、少し寄っても、あとスピードを上げればほとんど違わないでしょう。十分だけ寄れませんか?』


 「くまさん」はものすごく心配でしたが、みんながうなづいたので、それ以上は、反対できませんでした。


 それで、宇宙船「アニー」は、「太陽系お気楽コンビニストアー・チェーン」の「太陽支店」に向かいました。



 

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