🐻『くまさん宇宙の大冒険』🐼  《オリジナル版》

やましん(テンパー)

第1話 「はじまり」 🐻

しっくんは、長い間、「くまさん」たちと一緒に暮らしてきました。

「くまさん」が生まれたのは、今からもう五十年よりも、もっともっと昔のことです。


ある寒~い冬の日、しっくんがコタツの中で遊んでいたとき、お母さんが雑誌を見ながら何かを作ってくれました。

それが「くまさん」🐻、だったのです。 


「くまさん」は、本当は小さな「まくら」だったんです。

だから、「くまさん」には、手が付けられていません。

「くまさん」の足は、小さな毛糸の玉でした。

まん丸い目は、銀色のセーターのボタンでした。

そうして、体の割には大きなお耳がありました。


この、「くまさん」の耳は、とても役に立つのです。

たとえば、しっくんに「いい子いい子」をしたり、「ぺんぺん」をしたり、ちょっと可愛く「かしこまったり」。

いろんな事ができるのです。


はじめて「くまさん」を抱いたとき、男の子なのに、しっくんはとても喜びました。


しっくんには、兄弟がいなかったので、たぶん、少しさみしかったからです。


最初の日、こたつのお布団の上で、「くまさんは」何回もころがり落ちたり、また、こたつの上にはい上がったりして、しっくんと一緒に遊びました。


そうして、それからは、毎晩一緒に寝ることにしたのでした。


そうそう、こどものころのしっくんは、「くまさん」ではなくて、「くまちゃん」と呼んでいましたけれども。





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