寿司について、あるいは真の言葉の効用について

作者 大澤めぐみ

70

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★★★ Excellent!!!

他愛ない恋人達のやりとり。
どなたにも身に覚えがあると思います。

「ねえ、わたしのことが好き?」
「好き」
「どれくらいわたしのことが好き?」
「とても好き。大好き」

女子は、これを聞きたがりますもの!


普通は、これはただの戯れ言。
けれど、この作品は違いました。

いつも『ひとひねり』ある作風の作者様ですが、
今回の、やさしいひとひねりが、大好きです。

★★★ Excellent!!!

世に、店の格はお通しで分かるという。
お通しとは、最初に出される一品のことだ。
つまり、店に入ったほとんどの客が、それを食べることになる。

それはとても気楽に賞味される。
例えば、作品ページを訪れた読者が、
「代表作はこれかな……でも長いな
 とりあえず一番短いやつ読むか」
ってなるくらいの感覚でだ。

だからこそ、お通しというものは気が抜けない。
一口か二口で、店の全てとは言わないが、かなりのことが分かるものだ。

お通しに満足した客は、次の注文にも期待するだろう。
最短の作品に満足した読者が、10万字の代表作に手を伸ばす時のようにだ。

小品であっても、侮れないお通しを出す店は、名店である。
つまるところ、これはそういう作品なのだ。