第11話 トモダチ
「僕も連れていって!」
ルークが声を張った。そのまま続ける。
「遅くなっちゃってごめん。その、一緒に行く準備とか、色々あって、、。」
「...いいのか?安全の保証は出来ないぞ?」
「いいんだ。僕は、もう弱虫ルークじゃないから!」
弱虫ルーク、以前誰かにそう呼ばれていたのだろうか。そこだけやけに力がこもっている。
「...そうか。いいz...」
「あ、いや、改めてちゃんと言わせて」
食い気味にルークが言った。
「ひとりだったら、魔物は恐い。でも、二人なら怖くない。」ルークは一度止め、ゆっくり瞬きをした。そして、その真剣な眼差しで俺を見て
「僕も連れていって!」
少しの沈黙が辺りを包んだ。
「 いいぜ。 一緒に行こう!」と手を差し出す。ルークも握手で応じた。
「...なに二人だけで盛り上がっちゃってんのよ、アヤシーなぁ。 ああ!もしかして、二人ってそういう?いいわねいいわね~!そそられるわねぇ~!」
あらぬ誤解で盛り上がる暴走乙女がひとり、ナゾに身をくねらせている。
「...違うからな?」
一応の否定はしたものの、多分聞いてない。
「そう言えば、この先、イブキは一緒じゃないのか?」
「あら、私も一緒に行くつもりだったけど? お邪魔かしら?それなら、しょうがないわ~。」
やっと、耳を傾けたと思えば、、。
「だ、ぁああーーー!!」いきなり、イブキが奇声をあげた。どうかしたのかと聞く前に彼女は続けた。
「一緒に行くんなら、ちゃんと言っとかなきゃね。
あのね、わたしねぇ。」
なんだ?そんな、大事なことなのか?と思わず体に力が入る。
「わたしねぇ、
「 は? え?いや、でもそいつ。」
「この子、バアムは友達よ。と、も、だ、ち。」
「???」
どういうことだ?言葉に困る。
「ねぇ、イブキ。その...、説明とかしてもらってもいいかな?冒険者たちのこと、それにダンジョンや魔物のことも。」
イブキは訝しげな表情で応じる。
「別に、説明するのは良いんだけど。
なに、あんた初旅?」
「そういう訳じゃないんだけど。今までは、町ではキャラを作って、それ以外では極力魔物を避けてたから。 でも、魔王を倒す人と一緒に行く以上は自分も戦えるようにならないといけないしさ。」
以前、俺が魔王を倒すと言ったのを覚えていたようだ。
イブキは、探るように俺とルークを交互に見て、やがて納得したようで。
「じゃあ、イブキ先生の攻略講座を始めまーす!」
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