第4話 ドウクツ

『俺は、その洞窟に行きますよ。』

来たければ着いてこいよとでも言いた気な台詞だ。

宣言通り、イリスは洞窟に向かっていった。

自分を置いて。


(どうしたら、イリスのように自信を持って前を向けるのだろう)


僕は、変わりたい!でも、変わるのが怖い。

ビビりで、臆病で、小心者の自分が

大胆で、勇敢で、冒険的に変わったとして、

上手く立ち回れるのだろうか。

変わらないでいた方が気楽なのだ、自分にとって。


(このままじゃ、ダメなのは、わかってるんだけどな)


~~~~~

『俺は、洞窟に行きますよ。』と宣言したものの。

考えが甘かった。

俺、洞窟までの道知らない。。。


「あ~、もう!あいつ連れてくるんだった!」

これから、どうしたものか。道、誰かに聞くか。などと考えていると、

「なに?どしたの?あんた、迷子?」

俺か?と振り返ると女性が立っていた。

正確には、女性と一匹の小竜だ。 ...冒険者なのか?

「俺、ですか?」

「あんた以外に誰か居るの?(笑)」

気さくな人だ。助かったっぽい。

「この先の洞窟まで行きたいんですが、、」

「洞窟?洞窟なら私も行くけど、一緒に行こうか?」

「ありがとう。お願いします。」

「どういたしまして。私はイブキ。あなたは?」

「イリスです。呼び捨てで良いですよ。」

「OK、じゃあ行こうか、イリス」

俺は、イブキさんに着いていくことにした。

イブキさんの背中には弓矢が吊ってあった。


「イブキさんは、獣使ビーストテイマーいなんですか?」

「イブキ。私のことも呼び捨てで良いわよ。敬語も無し!」

「あ、あぁ、わかった。イブキ」

ん?今、はぐらかされなかったか?

...まあ、いいか。


「着いたわよ。」

「...ここが、」

「どうする?中入る?魔物わんさか出るけど?」

「魔物、というと具体的には?」

「手前はゴブリンやオーク、少し進むとゴースト、さらに進むとドラゴンやゴーレムね。」

まじで、わんさか出るらしい。よく共生できてるもんだな。

「俺は手前までにしとくよ。」

「オッケー。じゃあ、そこまでは一緒に!」

と、二人は洞窟に入っていった。



...グァルルル  ...ガァグルァァ ...グルル

洞窟・最深部のドラゴンが、二人の<侵入者>を察知していた。














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