まじかるぬこ
しおむすび
プロローグ
「ふあぁ…さっむ…」
白い息をこぼしながら呟く。年が明けたばかりの今日、俺は初詣にきていた。正直、今すぐ家に帰りたいところだがお年玉のためには仕方がない。今は寒さをこらえて親にいい顔をしておかなければならない。順番が回ってくる。さて、なにを願おうか。あぁ、そうだ。
「猫になって静かに、まったり暮らさせてください。…なんてね。」
我ながらバカなことを言ったものだ。そう思った。この時の俺は予測することができなかった。この願いが現実になるということを…。
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