★★――プライベート・ライアン(1998年)

 第二次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦が舞台の戦争映画。


 監督は『ジュラシック・パーク』シリーズや『ジョーズ』を手がけた巨匠、スティーブン・スピルバーグ。


 主役のジョン・ミラー大尉を以前紹介した『キャプテン・フィリップス』にも出演するトム・ハンクス。

 彼の隊に所属するエイドリアン・カパーゾを『ワイルド・スピード』シリーズでおなじみのヴィン・ディーゼル。救出対象であるジェームズ・ライアン二等兵は『ボーン』シリーズで有名なマット・デイモンが演じます。


 ちなみに最初に出てくるジェームズ・ライアンを演じているのが、『キャッスル 〜ミステリー作家のニューヨーク事件簿』のネイサン・フィリオンが演じていたのは個人的に驚きました(知らない人はスルーしてください)。


 今回の作品は『ファイト・クラブ』同様、伊藤計劃の『Running Pictures 伊藤計劃映画時評集』を読んでから見ました。

 そこでも言われていましたが、まぁ、序盤の十五分がスゴい。


 映画のラストのような墓地で始まる展開から銃弾の飛び交い、迫撃砲が地面を穿ち、海が血の色に染まる死屍累々のDーデイ侵攻作戦の戦場から始まります。


 この上陸作戦の臨場感はハンパないです。

 揚陸艇のハッチが開いた途端に味方は機関銃でどんどんやられるし、海中に逃げても運が悪ければやられる。そして上陸すれば迫撃砲と機関銃の雨に晒され、隣には胸を撃ち抜かれて動かなくなった死体や痛みに悲鳴をあげる仲間の姿がある。

 その臨場感はまるで実際の戦場に行って、撮影して来たかのような緊迫した映像が続きます。


 序盤のそれで期待値が上がる人もいるかもしれませんが、しかし、それ以降はどっちかというと普通の戦争映画とあまり代わり映えはしない感じで、切り取って別々の映画として発表しても通じそうな感じでした。

 正直、作者は戦闘シーン以外はダレて眠くなりました。


 しかし、たびたび出てくる戦闘シーンでは序盤の上陸作戦ほどではないにせよ、銃弾が飛び交い、手榴弾で人が吹っ飛んで、戦車の攻撃で粉々になるという、実に金のかかった破壊の限りを尽くす画が作られているので、非常に見ていて緊迫感を感じることができると思います。

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