75作品、感想述べてみた。

森川 蓮二

映画

洋画

★★――オデッサ・ファイル(1974年)

 イギリスのベストセラー作家――フレデリック・フォーサイスのサスペンス・スリラー小説をロナルド・ニーム監督が映画化した作品。


 主人公であるピーター・ミラーを演じたのはジョン・ヴォイト。彼が追いかけるエドワード・ロシュマンをマクシミリアン・シェルが演じます。


 あらすじとしては、時は1963年――アメリカがケネディ大統領暗殺に沸くなか、西ドイツの記者であるピーター・ミラーはある老人の自殺を知り、のちに彼の残した日記から元ナチス親衛隊員によって立ち上げられた組織――オデッサの存在を知り、その影を追うという陰謀話。


 最初はただの興味から老人の日記に書かれていたロシュマンを探し出そうとしますが、それがやがて命をかけた壮大な陰謀へと繋がり、差し向けられる刺客などをピーターがかいくぐる様が粛々と描かれます。


 この作品、近年のサスペンス映画と比べると、観客の感情を煽るBGMが全く入って来ません。もちろんあるにはあるのですが、基本的に車がハイウェイを走るなどのなんでもないシーンなどで使われており、ピーターとオデッサ側が送り込んだ暗殺者とが対決するシーンではBGMは一切鳴ることはありませんでした。


 前回の「タクシードライバー」もそうですが、昔は周囲の音だけでその場の環境を淡々と描くというのが定石だったんでしょうか(作者も趣味でやっていることなのであまり確信を持って言ってるわけではありませんが)


 ハリウッドのような派手な爆発などもありませんが、ナチスの秘密組織を追うとストーリーや、ロシュマンと対峙したピーターの行動理由がまさかのことで非常に面白かったです。

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