第3話
今から四百年前…
一六〇五年の事である。
そこは、その國でも特に大きな屋敷であった。
屋敷に詰め寄る男達が居た。皆鎧に身を包んでいる。
「貴様らの正体は分かっているのだ。人に仇為す鬼め、隠れていないで出て来い!」
鎧の男の一人が、叫んだ。
その声に応じたのか、一人の女性が出てくる。
「嫌ですねぇ、何ですか?貴方達は、人の家の前で。」
「く、来るな鬼め…い、いや、怖くなど無いぞ、殿の為にも成敗してくれる。」
威勢の良い掛け声とは裏腹に、男は震えていた。
目の前の女性が鬼である、そう思い込んでいたからである。
だが、当の本人は、不思議そうに男の顔を窺った。
「鬼?何処に鬼なんて居ますか?此処には私と奥様とその御子様しかおりませんが?それともまさか、この家に憑いているのですか!?」
「えぇい、訳の分からぬことを…シラを切るか?この鬼め!」
「はぁ、私が鬼ですかぁ?人からその様に言われる覚えは無いのですが…、それよりもそこ退いてくださいません?お掃除の邪魔なんですけど?」
件の女性がそう言い放った次の瞬間、鎧の男達は皆吹き飛んで、地に伏していた。
「あらあら、またやってしまいましたねぇ…、さてお掃除の続きっと。」
それは、容易くうつろうもの
それは、儚く崩れ去るもの
そんな「絆」と言うものに
人は縛られ生きていると言うのに
御剣神宮の境内。
そこに漂う、香ばしい秋刀魚の香り
そしてその横には、無残に焦げた秋刀魚が一尾
「馬鹿な、こんなはずでは…」
七輪の前で、大きく崩れる玲奈
「意外ですね…」
「ねぇ?」
雪人と絢華は、互いに顔を見合わせて頷きあった
「それは私が料理が下手な事か!?それともこやつが出来る事か!?」
玲奈は瑠璃を指差した
「両方…やと思うな」
一気に人数が増えて家族の如く一つ屋根の下に暮らす六人の男女。
そこでこの暮らしに関して、一つ重大な決め事が先日行われたばかりであった。
「さて、今日の議題ですが…」
雪人と玲奈で会議を仕切る。
「この人数だ、食事の支度を当番制にしてみてはどうだろうか…と私は思うのだが。」
我先にと皆が手を挙げる
「どうした?色欲魔。」
「だ~か~ら~!アレは誤解だっての、それはさておき、俺は料理には自信はあるぜ。少なくとも玲奈サンよりがな」
ある些細な事件をきっかけに玲奈と瑠璃の関係が悪くなってしまい、事あるごとにいがみあうのだ。
みな事情を承知しているので「また始まった」程度に流してしまうので一度火が付いたら双方冷めるのを待つしかない。
「ほぅ、私に勝つと?」
「伊達に姉貴に仕込まれて無いからな、手加減しねぇぞ~?」
「その言葉、そっくりそのまま返すとしよう。私とて、貴様などに負けるつもりはない。」
そして、今に至る。
対称的な二人の料理。
「玲奈さん、張り切りすぎただけ…ですよね?」
「そ、そうだな、少し根を詰めすぎたと言うかだなぁ…」
「正直に認めたらどうだ~?男女。」
この時、玲奈の中で何かが切れた様な気がした。
皆、その只ならぬ気配を感じとった様だ。
「貴様…言うに事欠いて、この色欲魔!!」
「なんだと、男女!」
「まだ言うか!!私にも我慢の限界がある…
「上等だぁ~、
二人の間に殺意が芽生えて居る。
互いの獲物を構えこのままでは本当に刃傷沙汰になってしまう。
「ふ、二人を止めないと…かかか、神無さん、あ、あ、絢華さん」
慌てふためく雪人。
「あかん、こうなったらウチが言ったくらいじゃ…」
とその時。
銃声が鳴った。
「お前たち、まだやるか?」
銃に弾丸を籠めながら雨音は二人に問いかける
「い、いぇ…。」
「な、なぁ?」
互いに顔を合わせ頷きあう
「やれやれ、先が思いやられるねぇ…」
「まったくやな…」
ちなみに、この一件により境内に弾痕が残り、それでなくて長い石段のせいで寄るものの無い御剣神宮に悪いうわさがのぼり
また数少ない参拝客が遠のいていくのだった。
先の騒動から少し経った頃。
黒い影が境内の真ん中に降り立った。
「姫様。客人です」
「慶蔵か、姫様はよせといつも言ってあるだろう?客?あぁ、あの二人か。分かった下がって良いぞ。」
「はっ」
応じて、慶蔵と呼ばれた影はまた何処かへと消えていった。
慶蔵。
高杉家に仕える最も古参の者。
時代錯誤な忍びの姿を取っている為、主人である高杉の姉妹以外に顔を見せたことは無い。
当代の当主である玲奈を「姫様」と呼ぶのだが、玲奈は照れてしまい「名前で良い」と言い聞かせてあるのだが一向に直らないらしい。
時代錯誤の忍びの姿に当主を「姫」と呼ぶ
果たしてここは本当に現代なんだろうか。
もしかしたら、この家の周りだけ時が止まってしまっているのではないだろうか。
そう思う様な出来事であった。
「あの二人、アレで一応立派なところがあるじゃないか」
「誰か来たんですか?」
「あぁ、すぐわかる」
そう言って玲奈は石段を少し下ったところでその客を手招きした。
玲奈の姿を確認したその客人・・・いや獣とも人ともつかない姿の者が石段を駆け上がってきた。
それを追う様に有翼の人間・・・天狗が空から舞い降りる。
「かなちゃん!それに悠君!」
先に飛び込んできた半獣の者・・・猫の耳に尻尾を生やした猫叉、それを追って慌てた様子で降りてきた天狗
それぞれ、人と妖との混血所謂半妖であり、共通の知人であった。
猫叉の方がかな、
その共生の一環として、学園にも通う。
外見の年齢は雪人や玲奈達と同様に見えるがその実百数十歳。
だが、御剣学園は年齢の上限、人、妖の区別を設けておらず「退魔の志」を持つものであれば誰でも入学できるのだ。
退けるべき魔が仇為すのは何も人に限った話ではない。
力の無い妖にとってもそれは脅威となりうるのだ。
それを的確な方法で「退ける」術を学ぶべく、人と共に学園へ通うのだ。
一方の天狗、名を悠、姓を鞍馬と言い、こちらも学園に通っている半妖の者。
実齢は三百を越えるが、こちらも外見は雪人や玲奈達と同じに見える。
実齢こそ百数十、数百に及ぶこの二人であるが、だからと言って尊大な態度を取るどころか高杉姉妹、そして雪人を「先輩」として敬っている。
そんな態度であるから雪人の方もこの二人を「かなちゃん、悠君」と呼ぶのだ。
「かなちゃん、速いって。4つ足で駆けられたら僕は上から追わなきゃいけなくなるだろう?」
途中までは自らの足で登ろうと決めてたらしい悠はかなに文句を言う
「先輩たちの姿を見たらつい駆けたくなっちゃって。途中までは私もきちんと人の足で登ってきたんだけどねー」
にゃははと頭を掻きながらかなが言う。ちなみに手足がわずかに人に戻りきっておらず猫の爪で掻いてるようだ。
その二人の様子を見て玲奈は溜息を吐きながら、二人を見据えて言葉を発する。
「二人ともよく来てくれた。突然呼びつける形になってすまないな。」
そう言って玲奈は、二人に頭を下げた。
「あ、いえ、そんな大したことじゃありませんから」
玲奈の改まった態度に決まりが悪くなったのか、悠は慌てて取り繕う。
「では、改めて宣言しよう。 流離伎かな。 鞍馬悠。」
『はい!』
名前を呼ばれて二人は姿勢を正した。
「両名を、本日付けで我々直属の正式な退魔師として任命する!」
そう言って、玲奈は、かなと悠の二人に書状を手渡した。
「待ってくださいよ、玲奈さん、急に退魔師にするだなんて…もしかして。」
急な事に雪人は玲奈に真意を確かめる。
「そう、この二人も伝承にある人物だからだ、これで伝承にある退魔師は七人、あと一人だ。」
「そういうことなんで、宜しくお願いします。先輩。」
「なんだか良い様にあしらわれた気もするけど、宜しくね、二人とも」
互いに顔を見合わせて、少し照れくさい様に一礼。
そこで玲奈が袂から一通の手紙を取り出した。
「早速で悪いんだけど、仕事だ。それもできれば全員で、と依頼主からは言われている」
「依頼?どなたからなんです?」
尋ねられた玲奈は手紙を一同に広げて見せた。
そこには酷く事務的な文章と、印鑑が捺印されていた。
「御剣市警、安部春明?警察の方が何故?」
「警察で手におえない事件。と言えばわかるだろう?妖らしい被疑者を確保したから面会に来てくれとさ」
玲奈は手紙を読みつつ呆れた様な仕草を取る。
「全く、妖絡みとは、懲りないなぁ、あの人も」
「何かあったんです?」
「行けばわかるさ。」
―同日、十四時、御剣市警―
一同を出迎えたのは、一人の若い刑事だった。
帽子にサングラスが似合いそうな風貌の男だが、生憎とそのどちらも身に着けては居ない。
「わざわざ済まない」
「久しぶりだな、腕の方はどうだ?」
聞かれた刑事はぎょっとした表情で玲奈の方を見た。
(そこの新しいお弟子さんは俺の事知らないだろう?いいのか?)
(あぁ、どうせ私の事も明かさなきゃいけないからな)
「腕?アレ、この人・・・いや人にしてはちょっと妙な気を感じますね」
「やれやれカンの良いお弟子さんだ。そうだよ、俺は半分鬼なんだ。そうなるしか方法が無かったんでね」
「この人はな、少し前に私たちの仕事に巻き込んでしまって、それ以来こうなんだよ。」
「えーと、これ俺が言っていいのかな?」
刑事は姉妹たちに確認の目配せをした。
姉妹たちは黙って頷いた。
「良いんだな?高杉の姉妹も半分鬼で俺はその血を分けてもらう以外に助からない怪我を負ってしまったんだ。」
「そう、私たちは一応は人の側に付いては居るが、半分は妖、それも特に力の強い鬼なんだ。」
そう言って玲奈は、白衣の片袖を捲り上げ己が異形の腕を晒して見せた。
同じ様にして、目の前の刑事も自らの異形の腕を晒した。
そこで雪人は一人納得したような顔をしていた。
姉妹の人離れの力。
それは妖、その中でも特に力の強い鬼との混血故だったのだ。
「少し前までは妖怪なんて信じちゃいなかったのが、まさか自分がその妖怪になっちまうなんてなぁ」
「そうは言うが春明さん、あんたが生きたくてしょうがないって言うからわざわざ血を分けてやったんだぞ。本当なら死んでいたんだからな」
言いながら玲奈は春明の腕を叩いた。
叩いた際に何かを貼り付けた風に見えた直後、春秋の腕は人のそれに戻った。
「春明?それじゃあこの人が?」
「そうだ、私たちを呼びつけた依頼主。一応要望通り全員で来てやったが?」
「少し会わないうちに随分増えたなぁ。1,2・・・8人か?」
刑事、春明はそこに揃った一同を見回す
巫女が二人と、喫茶店の店員が二人、羽を畳んでは居るが有翼の少年に、猫の耳に尻尾を持った少女
凛とした佇まいの着物の少年に、その付き人のこれまた着物に割烹着の女性。
みなそれぞれに得物を持っているので退魔師であることは見て取れるが
警察署と言う場所においてそれはあまりにも異質だった。
「それで?私たちを全員呼びつけなきゃいけない程の相手なのか?」
「いや、単純にそちらさんの顔ぶれが見たくってね。なるほど、みんなそれなりで安心したよ」
「貴方はずいぶんと変わったな。」
「変わらないのは100年以上その姿のあんたたちだけさ。」
変わった、と言われたことへの皮肉のつもりで春明はそう言った。
そのくらいでしか、この姉妹との差は埋まらない気がしたのだ。
「もう10年か20年もすれば貴方にもわかるさ。周りがみな老いていき、その中で自分が若い姿のままで居ることがどういうことか。」
仕返しのつもりで逆に反撃をされてしまう。
「さて、無駄話はこのくらいにして、本題に入ろうか。」
そう言って春明は、何処ぞへと向かって歩きだし、一同を招いた。
「こっちだ、付いてきてくれ。」
一同みな、長い廊下を歩く。
途中、壁面に数枚の札が貼られているのが見えると、玲奈は口を開く。
「これは?」
それらを指差しながら尋ねる
「あぁ、相手が本当に妖怪だったらと思ったらついな。気休めだとは分かっているんだけど」
「やれやれ、昔の貴方はそういうのには頼らないんじゃなかったのか?」
「自身が妖怪では否定のしようが無いだろう?妖怪は信じてその退治や妖怪の使う術を信じないってのはおかしいだろう?」
「それもそうか」
言いながら玲奈は笑った。
「さて、ここだ。何せ妖怪らしい被疑者をとらえるなんて前例のない事だからな、こんなところに入れておくより他なかった。」
長い廊下を抜けて辿り着いた部屋の扉には「取調室」と書かれていた。
なるほど、何の準備も無しではこんなところに入れておくより他は無いだろう。
それでも万が一を配慮して札を貼ったと言うところだろうか。
効果の程は期待できないだろうが、そんなものに頼るほかないのもまた事実だろう。
「感じるな・・・・。これは確実に妖のそれだろう。よくぞこんな気休めの護符で持ちこたえたものだ。」
部屋の前に着くなり姉妹の表情は険しいものに変わる。
姉妹以下6人もそれぞれに何となくは感じ取っていた。
一同の警戒心に驚いた春明は聞かずにはいられない
「そんなに大変な相手なのか?」
聞かれて姉妹は表情を変えた。
姉妹の見せた表情は一変して、先ほどまでの警戒心など微塵も感じさせない砕けた表情であった。
「いや、なに。我々に掛かれば他愛もない相手だ。それにしても貴方も半分は鬼であろうに何も感じない上にこの程度でおびえて居るのか?」
「悪かったな、そういう力の無い妖怪を守るのもあんたたちの役目だろう?」
「おや、警察が『民間人』に助けを請うか?まぁ、その助けに請われたからこうして来たのだったな。」
「5年も前の事をまだ根に持ってるのか。困った姉妹さんだ。」
「人にとっての5年はな。妖にとってはつい昨日の事なんだ。多分100年は恨むことになるから覚悟をしておけよ?」
「勘弁してくれよ。」
「冗談だ。昨日の敵は今日の友とも言うだろう?昨日言われた嫌な事は忘れてしまった、そういうことにしておくよ。」
「全く。じゃあ、入るぞ?」
「あぁ、開けてくれ」
春明が部屋の扉を開ける
中へ一同が続いて入る。
「狭いな。全員入れるだろうか?みな入ったら術で異界と繋いだ方が良さそうだな。」
本来であれば、1対1で対面する事を目的に作られたその部屋は、この場の皆が入るには狭かった。
部屋の外周を囲ってようやく全員が入ることができた。
「騒がしくしてすまないな、いや断る必要もないか。我々が何をしに来たかは分かっている様だしな。」
気休めの護符とはいえ件の妖は多少弱っているのか、それとも目の前の退魔師達を見て悟っているのか口を噤んでいる。
妖。
恐らく玲奈達と同じ鬼の類であろうか?
頭部より2本の角が生えており、醜いまでに口が裂けている。
人に近しい姿をしていて、人の女性の様な姿をしている。
「部屋は閉めたか?全員居るな?」
畏まった雰囲気で戸の施錠と、人数を確認する玲奈。
「よし、悠、かな、結界を。」
「この地は現世より隔たれし処…」
「この地は何者からも見放されし処…」
「常より離されし処、常に捉われざりし処、結び奉る!」
(これは、異界結びの詩!?二人ともいつの間にこんなものを)
二人の新しい退魔師によって、異なる世を作りだす為の詩が紡がれる。
そして、そこにこの世の常識に捉われぬ世が生まれた。
「おいおい、こんな大がかりな術が普通に使えるならあんなもの本当に役に立ってないじゃないか。」
妖の捕縛、同時に術の阻害を目的としたつもりの気休めの護符
しかし、こうしてなんら苦なく術を使われてしまっている時点でそんなものは何も役に立っては居なかったのだ
では、目の前の妖が黙っている理由はなんだ?
「これは・・・忌々しい護符めの気配が消えたぞ。そこに居るのは同族か?何故人の側に付く?」
妖が閉ざしていた口を開く。
護符は通用しなかった。
但しそれは、鬼の姉妹、そして天狗の悠、猫又のかなに対しての事であった。
「人、並びに力の弱い妖を守るが我らの命。貴様、人を傷つけたであろう?そのものは不義を働いたか?」
強い口調で件の妖に玲奈は問いかける。
「人は生きている事こそが罪な生き物であろう?それを守るそなた等こそ何するものぞ」
人を悪と決めつけた一方的な主張。
それは、理屈としては通っていたのだが。
退魔の法はそれを許しはしない。
「悪いが、不義無き人を裁く事を我らの法は赦しはしない。故に、貴様を討つ」
「ふん、愚かな。だがいいのかや?」
「何がだ。はっ、雪人!?」
言われて気づいた。
妖がいつの間にか雪人を捕えていた。
「今、力を振るえばこの者をどうするか、わかるな?それにしてもこやつ変わった匂いがするのぅ。」
そう言って妖は雪人にすり寄る。
「む、こやつ。くっくっく、これは面白い。人間のフリをしておるのか、それとも人間だと思い込まされているのか。」
何かに気付いた様子の妖は、盾に取っていた雪人を解放した。
「どうした、観念したか?」
自らの愛弟子を盾に取る卑劣な行いをした妖を睨みながら玲奈は言う。
「なるほど、そこの鬼の娘か。おい小僧、面白い事を教えてやろう。お主はな、人ではない。」
その言葉を聞いて先ほどまで捕えられていた雪人が体を震わせた。
「貴様。それ以上続けると・・・」
「玲奈さん。」
激昂する玲奈の言葉を遮って雪人が言う。
「いいんです、僕分かってましたから。それとこの人の滅し方も。」
その言葉を聞いて玲奈の表情が固まる
「わかってた・・・それに滅ぼす・・・?駄目だ雪人!その力は!!」
そう叫んだ玲奈の声はとても遠く聞こえた。
気づいた周りの皆も、雪人を止めようとしたのだろうが、それさえも遠くで起きている出来事の様に思えた。
雪人の気配が人のそれから「妖」のものへと変わる
次の瞬間、異界が一面の雪に覆われた。
妖は悲鳴を上げる間もなく滅されてしまった。
そして、過ぎた力は、少年を傷つけた。
それは、余りにも唐突過ぎた。
それは、容易くうつろうもの
それは、儚く崩れ去るもの
そんな「絆」と言うものに
人は縛られ生きていると言うのに
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