第4話鍬を作る俺

 鍬を作ろうと思う。

 当然鉄器なんてものはない。

 役に立ちそうな道具は斧と鉈とナイフ。


 畑を広げたいと思っても耕す道具が無い。

 自称じゃが芋畑は猫の額位しかないがこれでも大変だった。

 手と木の棒と石で掘り返してみたが、爪の間に土が入りこみ指先がボロボロに。

 道具は偉大だと思った。


 まず、15cm位の木を切り倒す

 2m位の枝で柄の部分を作る。

 しかし鍬の歯を作りたいが鋸がないので製材出来ない。

 丸太を斧で30cm位の長さに割り、さらに厚み3cmで縦に割り、鉈で形を整える。

 これで歯の部分は出来たが柄との接合をどうするか。

 柄の末端を四角に鉈で加工。そして歯の板に鉈を当てて石で打ちながら柄に合うようにくり抜いていく。

 歯の穴に柄を入れて楔を打ち込む。

 

 振ってみる。


 生木なのでふにゃふにゃ感が否めない。

 乾燥するまで放置だなこりゃ。


 こんな物でも2日掛かりとは泣けてくるねこりゃ。




◆  ◆  ◆  ◆  ◆



 そうそう。

 この前水浴びしている時に色々観察してやったのよ。

 髪は肩より長く色は黒。地肌は小麦色。

 水面に映った俺の顔は彫が深かった。


――彫が深くてもイケメンってことは無いのね。


 中東の顔の様だった。まあ、中東の国々に知り合いはいなかったけどさ。欧州人ではない様子。中東の人の歳なんてわからないけど中高生位かな?

 二十歳が成人式ってことではないと思う。まあ、37歳のおっさんが若返ったとすれば良いことなのかもしれない。


 それにしても山菜やイモばっかり食ってたらタンパク質が圧倒的に足りなくなちゃうね。

 肉を仕入れに行かなくては肉を。


 狩りの道具は無いので仕掛けた罠を見に行く。

 まあ、案の定空振り。

 一つだけだとそりゃそうだろう。


 場所を移して仕掛け直し。

 籠があればもっとしかけられるのに。


 竹でも無いかな。ヨーロッパには竹が自生していないようだけど。ここには無いのかね。

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