病み上がり

 病み上がりの瞳が目覚めると

 そこは街灯目覚める夕暮れ時でした

 ゆっくり窓を開けると変わらない街並みがありました


 また今日も何事もなく過ぎていきます

 そんな当たり前の風景

 そんな当たり前の日常


 四季の移ろいを追いかけるように

 人は着込んだり薄着になったり

 動物たちは体の毛が生え変わり抜け変わり

 春には春の花 夏には夏の花

 秋には秋の花 冬には冬の花


 寝ぼけ眼の瞳が目覚めれば

 そこには満天の星空がありました

 家々の灯りが少し淋しく映りました


 夜を歩く数匹の犬たちに会いました

 彼らのその優しくて哀しい瞳は

 この夜の闇にゆっくりと溶けていきました


 今日は僕は病み上がり

 昼間はずっと寝たり起きたり

 汗をかいたりかかなかったり

 夢を見たり見なかったり


 みんなが眠る時間に間に合うように

 コップ一杯の水にカプセル二つ

 明日天気になるといいな

 明日も当たり前の一日だといいな

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