魔法の国

 時間が来れば目覚まし時計が起してくれるし

 スイッチを入れれば各国のニュースが飛び込んでくるし

 蛇口をひねれば美味しい水が頂ける


 冷蔵庫を開けて冷たいジュースを取り出して

 ついでに新鮮玉子も取り出して

 スイッチ回して簡単お料理


 もう随分と当たり前の風景さ

 当たり前すぎて忘れちゃってる

 これが随分当たり前じゃないって事


 まるで魔法のようだよ

 全て前もって準備されてるよう

 優秀なお手伝いさんがいるみたい


 水を飲むのに大分苦労したり

 便りが中々届かなかったり

 病気になってもお医者さんがいなかったり


 きっと彼らから見たらこっちは天国だね

 これ以上何を望んだらいいのって感じだよね

 だけども僕らは欲望で飢えている


 新しい何かが出るたびにそれが気になって

 本当は生活に何の必要もないものばかり

 それでも心のスキマを満たすのをやめようとしないで


 きっと今の僕らの欲望は魔法のステッキ一つじゃ満たされない

 そしてその欲望こそが僕らの明日を生きる理由の一つ

 さて 目覚ましセットしてお休みなさい

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