水晶の夢

 青と金の目を持つ猫が

 遠く遠く見つめてる

 ずっと同じ姿勢のままで

 ずっと同じ丘の上で


 春の風が花粉やら胞子やらを運んでる

 まだ冬の残り香残す大地を塗り潰すように

 あの風の最後の目的地は何処


 水晶の森

 水晶の塔

 幻想の月と空

 全ての始まりの地


 銀の光を受けて燦然と輝く

 その森を一つの光が満たしてく

 僅かに空気が震える

 また一つうたが産まれる


 塔は畏れ多い程高く偉大で

 空と同じくらい青く透き通って

 まるでそこに在って無いみたい

 いとも簡単にそこで風は引き裂かれるのだ


 旋風一つ

 また一つ旅立っていく

 掌を零れ落ちていく

 無数の砂粒のように


 金と青の瞳の猫

 あくび一つもせずに

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