さわれない旅

 迷子の迷子のタンポポ綿毛

 袋小路にはまっちゃって困ってる

 だから僕 助けてあげるんだ


 空飛ぶエイの背に乗って

 北風と太陽のケンカをやり過ごして

 降りたった地ははるか絶海の孤島


 用意されたテーブルに

 ゆっくり紅茶が注がれます

 メイド服着た柴犬たちが

 今日もデンパの街で笑います


 ゆっくりお茶の最中に

 どんどん流れる飾り付けられた言葉たち

 中身のないダンボール製の稚拙なそれは

 昨日の雨でもうとっくにしおしおです


 無人電車が僕を待っていたので

 何も考えずに飛び乗ると

 ふわりとお空に浮いちゃって

 手を離した風船みたいな勢いで


 どんどんどんどん飛んでって

 しまいにゃ地球を見下ろして

 このままどこに行くのかな

 見ているだけじゃあ退屈さ


 タンポポ綿毛に手を伸ばしたら

 目覚まし時計がやきもち焼いた

 何だ僕の部屋だったのか

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