第10話 告白
あーいてて…。
ったく、生身の人間の腰にドロップキックかますかなぁ……。妖精の本気だったらシャレにならんぞ…。
まあ軽い怪我で痛いだけで動けるんだけどね、ローズに理由とか聞いているんだけど…ねえ…。
僕がアメーリア様にとられちゃうって思ったってさ…。
まずベラが僕のことそういう意味で好きだったなんて、思いもしなか…っていたいいたい。
僕けが人だよ、ローズさんグリグリしないで…。
「だったらベラにちゃんと謝るのよ〜。乙女心を弄んだ罪は重いぞ〜?」
も、弄んだ⁈
まあそうなっちゃうのかなぁ……。よし!
「ねえローズ。」
「なにかしら?」
「協力してくれない?ベラに謝りたいから。」
「いいけど〜、ベラの次は私ね〜?」
「え?」
「あ、ひど〜い。言ったじゃないの、私はリョウ一筋って。今回の事でね、ベラも私も自分の気持ちを自覚したのよ?責任とってよね?重婚で大丈夫だから。」
え…?マジっすか?
二人とも僕にはとてもよくしてくれてたけどまさかそんな風に思っとくれてたなんて…。気がつかなかった…。でも僕と二人が夫婦になるって想像するとなんかドキドキする。僕も二人が大好きみたいだ。
よしちゃんと告白しよう。
ーーーー
結果、協力してくれる事となり怪我は軽いのに「安静にしなきゃいけない」ってベラには伝わったよ。
で、できた時間でなにをするかはもう決めてる。
師匠からいろいろなものを作る技は叩き込まれた。それをいかして、二人にアクセサリーを送ろうと思う。ベラだけのつもりだったけどローズもだなんてね…。僕って鈍いのかなぁ…。
アクセサリーに使う宝石も僕が作る。公爵家に行った時に教えてもらったんだけどじいちゃんも師匠もとっても凄い人で、その両方の技術を受け継いだ僕はそれこそチート級みたい…。宝石を作るなんてことも普通はできないみたい。
まあ今回はそのチートをふんだんに使うよ。
作る、というか生成するのはダイヤモンド。それもファンシーピンクダイヤモンド。
綺麗なピンク色のダイヤモンドだ。
ピンク色になるのは結晶構造が少し歪んでいるからって言われてる。
炭素の集合体だから僕の魔法で、空気中の二酸化炭素から精製できる。
歪みも再現できるはずだ。
人工石っていうと聞こえが悪いけど二人に送る二人だけのアクセだし、僕が一から作りたい。
ローズの事だからベラにはばれないだろうけど慎重に宿の地下の工房へ行こう。
ーーーー
工房についた。
よし、やるか!
作るのはファンシーピンクダイヤモンド。地球ではほとんどお目にかかる事のないものだ。
そしてカットはハートシェイプ。ハートの形をしたカットでピンク色との組み合わせは最高だと思う。まあカットというより作り出す時に形も決められるからカットも研磨もしないんだけどね。
魔法っていっても想像しながら魔力を使うだけでいい。この世界の魔法は呪文とかはいらないんだよね。実戦で使ったりする時に呪文唱えるとか恥ずかしくてできないから良かったーっておもってるんだ。
よし集中‼︎やるぞ‼︎
ーーーー
「よし!できた!」
思わず声を上げてしまった。
でもそれくらいは大変だった。初めてだったけどうまくいって良かったー。
あとは、宝石をアクセサリーに加工するだけ。
アクセサリーはハート型を生かしたロケットペンダントにするって決めてる。それともう一つ作るけど。
地球だとプラチナをつかって作るんだったと思うけど、今回僕はプラチナとファンタジー金属定番のミスリルとオリハルコンを使おうと思う。
昼から始めたけど夕食をベラたちが部屋に持ってきてくれるまでまだ時間があるから作ろうも思う。
工房の棚からオリハルコンとミスリル、白金の原石を取り出し、加工していく。
どれも腐食をしないっていう特性があるけど、ミスリルは魔力との親和性がとても高い、オリハルコンは魔力との親和性がとても低い代わりにとても硬いっていう特徴がある。
これから作るのはその相反する二つの素材を白金でうまくつないでいくイメージで作る。
ーーーー
ここをこうしてっと…。
それでここを…。
よし!完成し…。
コンコン
「あ〜れ〜?部屋から抜け出してなにをやってるのかな〜?」
「安静にしなきゃいけないって嘘だったの⁉︎ひどい!」
あ、ばれちゃった…。
…。
…。
「とりあえず正座‼︎」
あ、アイマム!
ーーーー
二人には事情を説明した。
ローズは途中までしってたからまだしもベラの驚き様がこっちまでびっくりしてしまうレベルだった。
で、最後に。
「僕のすべてをもっと幸せにすると誓います。僕に結婚してください‼︎」
「「いや。」」
え?
「私たちだけじゃだめよ〜。」
「リョウも幸せにならないでどうするのさ。」
「「みんなで幸せになりましょう‼︎」」
ふ、二人とも…。
あれ、なんでだろ。涙が止まらない…。
このあったかい感じ。懐かしいなあ。
これきっと家族ってやつなんだよね?
二人にペンダントを贈った。
そしてもう一つ。結婚指輪を贈った。
こっちの世界でも結婚で左手薬指に指輪を風習があるんだ。
二人ともとっても喜んでくれた。
ありがとう。僕はきっと世界一の幸せ者です。
P.S その日の夜は3人で川の字になって寝ました。
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