第9話 カツミカ

それを、ウチでは「カツミカ」と言う。


「机が1ミリずれている」


いきなり彼氏がカツミった。


朝は5時から起き出して、掃除機ガーガー、超ウザい。


人の迷惑お構いなし。


ああ、もういやだ、死んでほしい。


けれど、脳裏にふと浮かぶ、カツミが乗ってる

あの外車。


周囲の仲間を見下して、キャッシュで買ったとほざいてた。



机のズレをチェックして、


頭上を走る掃除機に、今日もひたすら我慢の子。


彼氏のカツミカ、果てしなく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る