きみのこと

みーさ

第1話

22時17分発の電車の中

向かいに座って手を絡ませ、幸せそうに寄り添う男女をみて、きみに会いたいと思った。


家に着き、シャワーを浴び眠りにつく。

そしてまたきみに会いたいと思った。


朝目が覚めて、顔を洗い歯を磨いて、食パンを齧り、コーヒーを飲み込む。

君がくれた腕時計を身につけ、そしてまた家を出る。


電車の窓からは、いつもの新宿の高層ビルが立ち並ぶ風景が流れる。


午後は雨の予報。


会いたいな。会いたいな。

いつもの風景。いつもの人混み。いつものに囲まれて。

またきみに会いたいとおもった。


家に着き、シャワーを浴びて眠りにつく。

はやくきみに会いたいとおもった。



朝目が覚めて、顔を洗い歯を磨いて、お気に入りの服を着た。

君がくれた腕時計を身につけて、早足で家を出る。

きみの好きな歌を口ずさむ。


光のシャワー浴びて、二人は高架線の下を歩く。


優しいきみは駅前でホットココアを買ってくれた。


いつもより少し早い電車をまつ。

そしてまたきみに会いたいと思った。



きみがくれたココアはまだあたたかい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きみのこと みーさ @DAIKONnoODEN

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る