お友達が欲しいお年頃





要ちゃんの家であったこと、相談されたのと泣かれたの、姉さんにバレるかなって思ってたけどバレなかったみたいです。


それで今俺は何してるのかって言うと要ちゃんの家にいます。姉さんには昨日要ちゃんにすごい怒られて解決したってことになってるから新しく出来た彼女の家にお泊まりと伝えておきました。別れてすぐに付き合うのは俺にとってはいつものことなのでなんの疑いもなく家を出てこれました。


「...で、今日はどうしたの?もう断ったんでしょ」

「うん...」

昨日とは同一人物と思えないくらいいつものような強気な雰囲気の要ちゃん、もしかしたらこのまま俺帰れるんじゃない?さすがに昨日のことがあってから俺も手出さないか不安だし...。

「.....友達ってどうやって作るんだ?」

「え?」

え、これは今日の相談かな。

「普通に...話しかけるとか?」

「話題がない」

「じゃあ、遊びに誘ってみるとか?」

「.....」


要ちゃんは眉間にシワを寄せて頬杖をつき始めました。

...あ、要ちゃん人見知り?そう言えば中学とか高校で姉さん以外の女の子と仲良さそうにしてなかったからなぁ。

「...ていうか要ちゃんそういうの気にする人だったんだ」

「失礼な、私だってちょっとは気にする。中学とかは結希がいたからとくに気にしてなかったけど...」


あれ、...もしかして

「要ちゃん、...寂しがり屋?」

言わなきゃ良かったと思うのと同時に枕が飛んできて要ちゃんが怒ったような真っ赤な顔になりました。

「...そっかそっか」

「ちがう!寂しいというよりは...友達がいた方が大学でも暇しないというかだな...」

「じゃあさ、サークル入るとかは?」

中学も高校も部活とか要ちゃんはしてなかったからちょっと抵抗があるんでしょうか、少し難しそうな表情になります。

「映画サークルっての俺入ってるんだけど30人くらいでバイトとかしてる人いっぱいいるし月一とかでしか行ってないんだけど...」

「...映画!」

要ちゃん昔から映画好きだったから結構食いついてきた。

「放課後は集まった人でDVDで鑑賞して、休日とかに暇ならみんなで映画館に見に行くんだけど」

「.....でも」

「俺も一緒に行くよ」

この一言で要ちゃんの答えが決まったみたい。

「興味ないわけじゃないから.....行ってもいい」

超上から目線な言い方だけどちょっとだけ嬉しそうな表情してるしまぁいいか。


「...あ、優希お風呂は家で入ってきたのか?」

「バイトしてからだからご飯は食べたけどまだかな」

「なら入ってこい」

「要ちゃんは入ったの?」

「うん、タオルは風呂場にあるから」

「わかった、ありがと」


あれ...なんかこれ泊まる雰囲気になってない?







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る