第2話 -桶狭間の章 2- のき佐久間たるゆえん
時は進み、19日午前10時半。
今や砦は陥落寸前であり、ここ中島砦を落とされると、
「いまだ、
「大義であった。奥で休むがよい」
「いいえ、まだまだ休んでいられません!引き続き
信長はそのやりとりを見
「で、あるか。そなたら
「は、はい!任せてください!必ず、ここ一番の報せを持ってまいります!」
信長たち諸将は
余勢をかって、ここ中島砦に殺到するかもしれない状況である。さりとて、急ごうにも今川本隊は未だ
「
そう進言したのは、のき佐久間こと、
ふむと3度、信長は繰り返し、その後
「では、のぶもりもりに500名、貸すんで、ぱっぱと包囲網の一角を崩してもらいましょうか」
あ、でもと続き
「ここで全力を出し切らないように調整してくださいね?さらにいつでも転進できるように配慮すること。得意でしょ、そういう戦い方」
数多くの
通常、
「今から前哨戦を行う!槍働きをしたいもの、500名ほど名乗りでよ!ただし、これは本戦にあらず!無駄に命散らすことあたわず!」
我もわれもと挙手が続き、最終的には、予定よりも200名多い、700名が手を挙げた。それほど士気が高いことのあらわれであろう。さすがの
「あー、まあ、そうなりますよね」
信長は、うんと2度うなづき
「再度、言いますが、やりすぎ注意です。手綱をしっかり握ること。きみのいう通り、これはただの前哨戦ですからね」
かくして1300名は、
矢、撃ち放て!号令一閃、矢の雨が中島砦を取り囲む敵兵たちの一角に降り注いだ。
今川方の500名を率いる足軽隊将・
「槍構え!前進!敵を押し返せ!」
「こちらも退くな。交戦開始せよ!」
緒戦の混乱状態にあった関口軍は、徐々に統制を取り戻し、今や500で、
「先陣さがれ、さがれ!交代せよ」
後方より第2矢を放ち、交代の援護をおこなう。たまらず関口軍は距離を開け、突撃への機会を
このやりとりを5度ほど繰り返したのち、関口は、ある疑念に
林の入り口あたりまで、
関口軍500は、その半数をたった一度の攻撃で失い、潰走しかけていた。だが
時は19日正午を過ぎて半ばに届くころ、このとき、戦場に風が吹いた。
「今川義元、
先ほどの
「かねてより伏せていた農民による歓待を今川本陣は
信長は椅子から立ち上がり
「その一報、待っていました。全軍、桶狭間山ふもとへ進軍開始!」
信長は黒母衣衆の伝令役に命令した
「
関口軍と
しかし、先ほどの痛いしっぺ返しを喰らっていた以上、関口は動けずにいた。みすみす、
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