ロリコンじゃない俺が何故か幼女達から迫られているんだが?

雨宿 宵一

第1章 俺と義妹の何も無い筈だった日々

彰人side 俺と志乃の…

彰人side.1 俺と志乃の何も無い関係

 大学に入って3年目の春。

 今となってはこの光景も完全に見慣れていて、いい加減に飽きてきた今日この頃。中心部から電車と自転車で1時間程の道のりにあるマンションの1室に俺事、來栖くるす 彰人あきとはベランダで2人分の布団と洗濯物を干している。


 何故2人分なのかって?

 1人は勿論俺のだ。じゃあもう1人のは……


「お兄ちゃんお兄ちゃん、勉強教えて~」


「ん~?洗濯物を全部干し終わったらな~」


「わぁい!ありがとう、お兄ちゃん!」


 俺の事をお兄ちゃんと言ってくる人物…まぁ俺の妹なのだが、小学5年生の來栖くるす 志乃しのは厳密には俺と血は繋がっていない。

 というのも、志乃は俺の親父が再婚した相手の連れ子なのだが、再婚時に良くある”兄弟仲はあまり良くない”なんてものは全く起きなかった。

 寧ろその逆で俺が大学へ進学し1人暮らしを始めた今でも俺にベタベタに甘えてくる程に仲は良いのである。


 だが逆に、義妹で仲が良いっていうのもある意味問題だったりする訳で…。


「んで、お兄ちゃんに何処を教えて貰いたいんだ、志乃?

 …というか、俺の膝の上から降りてくれないか?」


「えぇ~!だってお兄ちゃんの膝の上って暖かくて居心地が良いんだよ!?

 だから志乃は、絶対に此処からどかないんだから」


「はいはい、分かったよ。志乃。

 それで此処の問題は此処の部分をこうして…」


「あ、成る程!

 ありがとう、お兄ちゃん!」


 志乃のこの笑顔が見られるならお兄ちゃん何だって頑張っちゃうぞー、何て俺も甘いんだろうなぁと思う今日この頃。

 …俺は別にシスコンじゃないぞ?かといってロリコンでもないが。


「それでね、お兄ちゃん。

 志乃ね、まだ分からない所があるんだけど…」


「ん?お兄ちゃんに言ってみ?」


「えっと…これなんだけど」


 志乃はそういって自分のランドセルの中から”よく分かる”を取り出した。


「お兄ちゃぁん、赤ちゃんの作り方、教えて?」


 目一杯の甘えた声で俺に囁いてくる志乃。


「…志乃、お兄ちゃん何時も言ってるだろ?

 お兄ちゃんは志乃とするのはまだ早いと思ってる、って。」


「…ぶぅ、お兄ちゃんのいけず」


「何とでも言ってなさい」


 何故、志乃は小学5年生ながらにという言葉を使ったのか?

 俺と将来を約束した仲だから?いやいや、そんな事は無い。


 なら何故か?その答えは、今の日本の現状と法律にあったりする。


 少子高齢化と騒がれている日本だが、今現在それが更に加速し10代は総人口の2割を切ってしまった。

 その為、政府が苦肉の策として急遽施行したのが”少女結婚法”である。


 内容は至ってシンプルなもので、

”初潮を迎えた少女を結婚適例と認め、婚姻を国が認可する。”

というものだ。


 志乃も去年初潮を迎え、婚姻が認可された為に今こうして俺を誘ってるって訳である。

 まぁ、俺は幾ら志乃が結婚出来るからといってもする気はないのだが。


「志乃ね、お兄ちゃんと絶対結婚するから!」


「はいはい、分かったから春休みの宿題さっさと終わらせな」


「はーい!」

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