ケースB スマートハウスに狼の侵入を許した事例

 あるところに、三匹の子ぶたの兄弟がおりました。三匹はお母さんぶたと一緒にくらしていましたが、ある日そのお母さんぶたが

「さあ、あなたたちは十分大きくなりました。今日から自分でおうちをつくって、自分だけでくらしなさい」

 と言いました。それで、ぶたの兄弟は家を出て、自分だけの家をつくることにしました。


 一番上のぶたは、わらで家をつくることにしました。わらをたばねて壁や屋根をつくり、家は無事できあがりました。


 すると、そこへお腹をすかせた一匹の狼がやってきました。一番上のぶたは驚いて、できあがったばかりのわらの家に逃げ込みました。


「ぶたくん、ぶたくん、俺を家にいれておくれ」

 狼はわらの家の扉をたたきそう言いましたが、一番上のぶたは、

「いやだい、ぜったいにいれるもんか」

 と断りました。すると、狼は空気を胸いっぱいに吸い込んで、ふうーとすごい勢いで吹きました。すると、壁や屋根のわらが吹き飛んでいってしまい、一番上のぶたは狼に食べられてしまいました。


 二番目のぶたは、木の枝で家をつくることにしました。枝を組み合わせて壁や屋根をつくり、家は無事できあがりました。


 すると、そこへまたも狼がやってきました。二番目のぶたは驚いて、できあがったばかりの木の枝の家に逃げ込みました。


「ぶたくん、ぶたくん、俺を家にいれておくれ」

 狼は木の枝の家の扉をたたきそう言いましたが、二番目のぶたは、

「いやだい、ぜったいにいれるもんか」

 と断りました。すると、狼は空気を胸いっぱいに吸い込んで、ふうーとすごい勢いで吹きました。すると、壁や屋根の木の枝が吹き飛んでいってしまい、二番目のぶたもやはり狼に食べられてしまいました。


 三番目のぶたは、わらや木の枝には目もくれず、施工会社に依頼して最新の技術をふんだんに使用したスマートハウスを建てました。


 すると、そこへまたまた狼がやってきました。三番目のぶたは驚いて、できあがったばかりのスマートハウスに逃げ込みました。


「ぶたくん、ぶたくん、俺を家にいれておくれ」

 狼はスマートハウスの扉をたたきそう言いましたが、三番目のぶたは、

「いやだい、ぜったいにいれるもんか」

 と断りました。そして、念のため住居の管理ページにアクセスし、家の扉という扉、窓という窓を施錠しました。この家は鍵の開け閉めもすべてWeb上でできるようになっていたのです。


 すると、狼はCSRFを仕込んだページを作成し、そのURLをぶたのメールアドレスに送信しました。三番目のぶたがそのURLを開くと、CSRFにより鍵の解錠が実行されてしまい、三番目のぶたは狼に食べられてしまいました。


教訓:

重要な処理を行う場合は、トークンの埋め込み、パスワードの再入力などでCSRFを防止する。

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