青い蓮華

いかたこわさび

 全て、この世界で知り得る感覚の、全て。

 それを、一撃で全身に受けたような感覚であった。

激しい痛みと強い快楽に、喉からは言葉に成らない咆哮が迸り出る。

体の有する、穴という穴から、生きているのに必要な全てが流れ出ていくような恐怖。

脳が弾け飛ぶような、ぬるま湯に揺蕩うような、骨を割くような、愛しい手から愛撫を受けるような、相反する何かが体を満たしていく。


目を開けねば。

何処にともなく伸ばした手は空を切り、何にも触れることは能わなかった。





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青い蓮華 いかたこわさび @ikatakowasabi04

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