after第46話 不死の軍団の恐ろしさ!

アンデット、それは一度死んだ者に悪霊等の魂が取り憑いて魔素を使ってその体を操る事で動く魔物である。

それは死体に限らずゴーストと呼ばれる魂自体に悪霊達が取り憑いている実態の無いモノも居る。

基本的に一度死んでいるので再び殺す為にはその肉体を行動不能にするまで破壊するか燃やしたり浄化するのが必要となる。

だがしかし、今ゴンザレス太郎達の前に大群で押し寄せているアンデット達はその二つを使用すると回復するというとんでないチート生物であった。

しかもサラの魔法により燃えているアンデットの火が別のアンデットにも燃え広がりどんどん燃えながら襲い掛かってくる数が増えている。

燃やす事でも浄化することでも回復するアンデットの何が恐ろしいかと言うと・・・


「だりゃああ!!!」


ゴンザレス太郎の回し蹴りが燃えるスケルトンにぶつかり吹っ飛ぶスケルトンは他の魔物達を巻き込んで吹き飛んでいく!

そして、粉々になるのだが他のアンデットの火に当てられその体を修復して立ち上がる・・・

まさに不死の軍団、そして・・・


「タツヤ!」

「大丈夫だ。」


攻撃を加えた手足が火にやられ少しずつではあるがダメージを負っているのだ。

武器を使って戦えれば少しはマシだろうがゴンザレス太郎自体が武器を持って居ると攻撃力が極端に下がるほどステータスが高いので今まで素手で戦っていたのだ。


「タツヤ、絶対浄化は?」

「既にさっき試したが聖属性だからか回復されるだけだったから止めた」

「どうすんのよこ・・・れぇ!!」


サラの拳の風圧で数十匹のアンデットが吹き飛ぶがそれも直ぐに復活し再びこちらへ向かってくる・・・


「ラストエリクサーは?」

「多分、回復されるだけだし回復でダメージを使っても死んだ瞬間に修復する」

「天の捌きやレールガンは?」

「天の捌きは太陽光の熱だから火属性、レールガンは電気だが直線状の敵を倒す事が出来ても一時的なものだ」

「本当にどうするのよこんなの?!」


次々に吹き飛ぶアンデットだが燃えて再び復活するばかりでその数は全然減らない。

こうしている間にも後ろから更に追加のアンデットがどんどん押し寄せてくる・・・

しかも・・・


「タツヤ上!」

「ちょっ?!ふざけんな!」


体長4メートルもある怪鳥ズーがアンデットとなって襲って来たのだ。

舞い降りて来た爪の一撃を素早く回避し踵落としで地面に叩き付けて倒しはするのだが・・・


「近付くんじゃねぇ!?」


燃えたゾンビの1体が近くまでやってきていたので慌ててそいつを吹き飛ばす。

空を飛んでいるアンデットはまだ燃えてないのでなんとかなっているが燃える怪鳥のアンデットとか洒落にもならないのは想像に容易いだろう。


「どうする・・・」


対術で次々とアンデットを吹き飛ばしては手足に火傷を負っているゴンザレス太郎は苦戦をしていた。

サラは手足の先端に結界を張って直接触らない攻撃に切り替えているので攻撃力は落ちているがダメージを負わない方法を確立していた。

だがそれでも持久戦となるといつかは押し切られるのは目に見えていた。


「タツヤ、あのダマを倒した凄いやつは?」

「あれは重水素を生み出す方法が無いと無理だ。大体こんな所で使ったら放射能が大変な事になる」

「じゃあなにかいい案は・・・きゃあっ!?」


サラの悲鳴が聞こえゴンザレス太郎がそっちを見て驚いた。


「アンデット・・・龍鬼だと・・・」


アンデットの中にかつての強敵のアンデットが姿を見せ始めていた。

その中には燃えている戦鬼も居る・・・

しかも戦鬼はたのアンデットを喰いながら成長しつつこちらへ向かって来ていた。

数は減っているかもしれないが焼け石に水とはよく言ったものだ。


「くそっ本格的に不味いぞ・・・」


唯一の救いはアンデット達の狙いがゴンザレス太郎かサラに向いている事から一番近くに居る生者をターゲットにしていると言う事が分かる事だろう。

スウの方へ向かう魔物が居ない事が何よりの救いでもあったのだ。


「タツヤ!一度態勢を立て直すわよ!」

「あぁ、頼むサラ!」

「炎王球!乱れ撃ち!!」


サラの手から次々と自身よりも巨大な炎の塊が放たれる!

それはアンデットを巻き込み相手を回復させながら相手を吹き飛ばす。

当たると回復するが作用反作用の法則は捻じ曲げれないようだった。


「助かったサラ!」

「一時凌ぎよ、それより何か対策無いの?!」

「それなんだが・・・」

「だが・・・?」

「俺の知っている言葉に素敵な言葉がある。」

「それは?」

「レベルを上げて物理で殴ればいい!」

「・・・・・・はっ?」


唖然とする更に告げてゴンザレス太郎は叫ぶ!


「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」

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