after第38話 敵の真の狙いとは?

久し振りの風呂に布団で寝られたと言うことで朝日が差し込み顔を照らすまでグッスリと眠り続けた一同。

しかし、微睡みの朝は唐突に終わりを告げる。


「たっタツヤ!?起きてタツヤ!!」


フーカの慌てた声で飛び起きたゴンザレス太郎は寝起きにもかかわらず意識がハッキリしている。

ステータスの精神がカンストしているのも理由の一つだが冒険者として夜営で何かあった際に直ぐに動けるように鍛えていた経験あってのものでもあった。

ゴンザレス太郎の視界に入ったのは浴衣を着崩している事で起きたばかりなのだろうと理解できるフーカとサラの姿であった。


「タツヤ、あれ…」


そう、サラが指を指したのは布団の上に置かれた藁人形であった。

まるで寝ながらこの姿になったかのように浴衣が着ていたままの姿で布団の中に入っている。


「きっとこれがドッペルドールの正体なのよ」


サラのその言葉に昨夜聞いた話を思い出すゴンザレス太郎とフーカ。

とりあえずお互いに実害が何か無かったか確認するため3人は荷物のチェックを行う。


「こっちは大丈夫」


ポニーテールのまま浴衣が着崩れているフーカは大丈夫。

ゴンザレス太郎も特に問題はなくいざとなったら『使用したことのあるアイテムランダム復元』のコードでアイテムを産み出せるので問題はない。

そして…


「もう一人の私が装備していたものは無くなってるわ」


居なくなったもう一人のサラがこの藁人形なのかは分からないが彼女が身に付けていた物は無くなっているらしかった。

被害としては非常に小さく、何が目的だったのか分からないがそういう魔物だったと言う事で3人は納得した…いや、納得せざるを得なかった。


「それにしても…この藁人形なんなんだろうね」


そう言って藁人形を手に取るツインテールのサラはゴンザレス太郎の描いた絵を見ながら寂しそうな瞳で呟くのだった。







少し離れた場所に二人の人物が居た。

ゴンザレス太郎達の泊まってる宿を見上げ…


「ククク…まず一人…」

「ニウム様、次はどちらを?」

「ヤツは最後に回してあの黒髪の娘にするか…」

「畏まりました」


一人の姿が消える。

ローブを着込んだ男はそのまま何処かへ歩いていくのだった。

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