after第37話 まるで双子のように
「さ、サラが二人?!」
ゴンザレス太郎が久し振りに驚く!
こんなに驚いたのはサラが好感度MAXで飛んできた以来だったので珍しく驚いてるゴンザレス太郎にフーカは驚いていた。
「タツヤ!そいつ偽物だよ!私と入れ替わったドッペルドールって魔物が化けてるのよ!」
「と、突然出てきて何適当な作り話してるのよ!私が本物だよタツヤ!」
「とりあえず服着ろ…」
漁師達の目は下着姿のサラに釘付けだったのだがフーカの手渡した服をとりあえず着て再び向かい合うサラと偽サラ。
赤い髪も顔の部位も全く同じで知らない間に入れ替わっていたのだとしたら分からないかもしれない。
「タツヤ任せて」
そう、こういう時はフーカのユニークスキル程適任な物はないだろう。
『スキミング』に関しては既にゴンザレス太郎も確認済みなのだがどちらもほぼ同じステータスで違いはなかった。
なのでゴンザレス太郎はフーカのもう一つのユニークスキル『スピリチュアリティ』はフーカの質問した内容に答えた返事が嘘かどうかを見抜くスキルである。
「貴方は本物のサラ?」
「えぇ私が本物よ」
「じゃあ貴方は偽物のサラ?」
「何言ってるのフーカ、私が本物よ!」
「タツヤ、二人共本物みたい」
「マジか…」
ゴンザレス太郎は一つの可能性を考えていた。
それは地球に居た頃に見たテレビの内容であった。
それはクローンの話でその人がその人であるには記憶と経験が全てを占める。
どんなに運動神経のイイ人のクローンだとしても体の使い方を学んでなければ同じ結果は出せないって話である。
つまり、クローンに同じ身体能力に記憶と経験があれば本物と見分けるのは不可能かもしれないと言う話であった。
「とりあえずこのままじゃ区別付かないから髪型変えてくれないか?」
「タツヤそれいい考え」
どちらにしても船は出ないとの事なので村に一軒だけある宿に泊まる手配をしに来たわけなのだが…
「四人部屋しか空いてないだと?」
「申し訳ございません、昨日から船が出せないって事で冒険者の方々の予約がもう入っておりまして…」
サラとフーカと一緒の部屋なのは問題ないのだがまるで狙ったかのように四人部屋だけが空いているという事実に違和感を覚えるゴンザレス太郎。
だがここ暫くの夜営続きだったのもあり仕方なく部屋を取ってサラとフーカを休ませることにした。
後から来たサラに詳しい話も聞きたいと考えていたのだが…
部屋の入り口で中に入れて貰えず中で何やら盛り上ってるのを暫く聞いていたら…
「タツヤ居るー?」
「あぁ、外に居るぞ」
「入っていいよー」
サラの声に返事をしてドアを開けるとそこには天使達が居た。
宿屋に用意されていた浴衣のような服を着た3人はそれぞれ違う髪型にして居た。
ずっと一緒に居たサラは左側に髪の毛を束ねサイドテールにしていた。
後から加わったもう一人のサラは左右で縛りツインテールに。
そして、フーカはポニーテールにしていた。
「どっどうかなタツヤ?」
「左右で縛るのってなんか子供っぽくない?」
「私もついでに髪型変えてみたけどどうかなタツヤ?」
「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」
突然スキルを発動させるゴンザレス太郎。
そして、何かを操作して紙とペンを用意する。
そのままゴンザレス太郎は3人の姿を自分につけたユニークスキル『画家』を使用しスケッチしていく…
「よし、こんなものかな?」
描き上がった3人の絵を今度は『アイテム減らない』で4枚に増やして各々1枚ずつ保管することにした。
「ありがとうタツヤ…」
「「本当にあんたは何でもありね」」
フーカはともかく二人のサラは複雑な心境のようだった。
お互いに相手が偽者と考えているのだが兄しかいないサラはまるで姉妹が出来たみたいな不思議な気持ちになっていたからだ。
その後は全員で食事を取って海の見える風呂に入りーーーー混浴じゃないよ!ーーーーゴンザレス太郎だけ少し布団を離して就寝するのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます