after第32話 可哀想な盗賊
「後3歩前だよー」
「タツヤ、もうちょっと右」
「行きすぎよ!ちょこっと左」
「そうそこ」
「いっちゃえタツヤ!」
目隠しをしたゴンザレス太郎は手にした木刀を振り上げる、それを一気に降り下ろし…
「助けてくれぇー!」
木刀はその勢いだけで目の前の海を割り斬撃が何処までも飛んでいく…
地面から首だけ生やした男はあまりの恐怖に失神していた。
「もぅ、根性なしね」
「サラ、タツヤは私達のために本気で怒ってる仕方ない」
サラとフーカはゴンザレス太郎手作りの水着を着て照り付ける太陽の下浜辺でその美貌を披露していた。
ゴンザレス太郎も二人を凝視するとちょっとアレがアレするので目隠しを外しても視線をそらす。
浜辺の地面に埋って顔だけ出したまま気絶している6人の男達、彼等がどうしてこうなっているかと言うと…
時は昨夜に遡る…
ニーガタの町を出発し翌朝3人は砂漠を抜けた。
そこは何処までも続く大平原。
弱肉強食の世界が広がっていた。
ライオンの様なカエルが大量の蟻に襲われ白骨になる。
ダンゴムシの様な体に羽根の生えた蝶が火を吐きその勢いで二足歩行で追い掛けてくるキリンから逃げる。
水溜まりと思わせて実はスライムという魔物が空高く飛び上がり空を飛ぶ鳥を襲う。
ここは人間が避けて通る事で有名なこの世の地獄『帰らずの平原』
その中をじゃんけんで負けたゴンザレス太郎が二人の荷物を持ちながら次の大岩まで移動している。
魔物は一匹たりとも近寄らない、戦って勝てる勝てないの次元でないのを理解しているからだ。
そして、帰らずの平原を普通に徒歩で抜けた3人は海沿いの道に出た。
魔海ではなく泳いでも大丈夫な海である!
急ぐ旅でもない3人は海で遊ぶことを決めそこで夜営をする事にしたのだが、3人が帰らずの平原を徒歩で抜けてきたのを見掛けた男達が居た。
「あいつら間違いなく強力な魔物避けアイテムを持ってるに違いない!」
「でへへ、兄貴おであの黒髪の女の子欲しいんだな」
「あの優男は奴隷に売り払うとして女二人は俺達で暫く楽しめそうだな」
「うへへへへ、今夜が楽しみだぁ~」
彼等は知らない、その3人が今の10000倍の戦力があっでも一人に傷一つ付ける事も出来ないことを…
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