after第28話 異世界史上最高の攻撃

「なん…なんなんだお前は?!」


突然現れたゴンザレス太郎の姿に驚き理性を失って怒鳴り付けるダマ!


「ミリーありがとな」

「うん、タツヤ戻すね」


そう言ってダマを完全無視してミリーはゴンザレス太郎にプロアクションマジリブレイを付ける。


「んじゃあ早速!スキル『プロアクションマジリブレイ』発動!」


ゴンザレス太郎がスキルを発動させ項目を選ぶ。

ミリーと違い声に出さなくても操作できるゴンザレス太郎はその項目を選びミリーを指差し発動させる。

それは新コード『状態異常を付ける』であった。

使い道が全く無いと思って今まで一度も試さなかったその中にある項目は…

『神化』

そう、この世界での神の力は状態異常の一つだったのだ!

怪我をしても死なず操られる『呪い』や、回復するとダメージを受け毒で回復する『ゾンビ』や、魔物に変身する『獣化』も状態異常の一つなのである!


ミリーの体が輝き神の力を再び使えるようになったミリーは足元の砂を手に取る。


「私を無視するなー!」


ダマの叫びと共に次々と超合金ダマが現れる!

呪いの力で自分の複製を操るつもりなのだ。

だがそんな事は気にしないとばかりにミリーは力を使い砂を物に変化させる。


「ほ、本当に出来た!?」


それはゴンザレス太郎の予想通りであった。

マリスの時は赤砂は魔物の核と言っていたが魔物の持つアイテムも赤砂から生まれる。

更に確信したのはダマがその体を赤砂から3つの金属を生み出したと読めたからだろう。

オリハルコンとアダマンタイトはともかくヒイロイカネはこの世界に現存していない幻の金属だからだ。


そして、次々とダマの複製が出現する中ゴンザレス太郎はミリーからそれを受け取り前に出る。

それは二つの棒状のモノの先端に果実の形をした謎の物質が付いている物であった。


「な、なんだそれは?!」

「右手に持ってるこれは『アッポーペン』!左手にあるこれは『パイナッポーペン』!そして、これを二つ合わせると…『ペンパイナッピがっ…』」

(噛んだ…)

(噛んだな…)


場は静寂に包まれる…


「ごほんっ、お前は確か知識チートを得たとか言ってたな?ならこれの恐ろしさは分かるだろ?」


そう言うゴンザレス太郎の両手の物質は熱を持ち始める。

カンストしているゴンザレス太郎の超高熱火炎魔法が一気に熱を発し二つの物質を超高温にする。

そして、それを一度離し目に見えない速度で全力でぶつける!


青紫の放電に近いものが出現しそれが球体になる。

ちょっとでも制御を誤れば爆発するのを理解してゴンザレス太郎の額に汗が流れる。

その恐ろしいまでのエネルギーを感じ取ったダマが口を開く…


「な、なんなんだそれは…」

「お前は俺を本気で怒らせた。だからこれはほんのお礼だよ、この重水素を固めて作ったアッポーペンと三重水素を固めて作ったパイナッポーペンを時速1000キロを超える速度で超高温の中ぶつけるとこれが出来る。」


現代チートの知識を得たと豪語していたダマもゴンザレス太郎が何を言ってるのか理解出来ず困惑する。

水素で物を作ると言う常識を完全に無視した無茶苦茶な物も赤砂からなら生み出せた。

その時点でゴンザレス太郎はダマをこれで完全に消滅させる気でいたのだ!


「そう言えばここは逆ピラミッドの地下か、つまりこのダンジョンは逆ピラミッドじゃなくて砂時計の形だった訳だ。」

「そ、それがどうした?!一体なんだと言うのだそれは?!」

「あれ~?知識チートのダマさん分からないんですか~?なら、分かりやすい言葉で教えてやるよこれはな…」


そう言ってゆっくり前にその青白い球体を放つ…


「『核融合』って言うんだ…」


それがダマの最後に聞いた言葉であった。

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