第117話 集う仲間達!
「ここまでバカにされるとは思わなかったよ、もういい。お前達は死ね!」
その言葉はゴンザレス太郎達にも聞こえたようで銀髪の少女の方を見ると少女は背中に翼がありそのまま空に浮かび上がった。
その姿はまさに神と呼べる姿をイメージしてマリスは造形したのだが…
「羽ばたかなくても飛べるなら翼の意味無くね?」
ゴンザレス太郎の無慈悲な一言にサラが吹き出しマリスは遂に無表情になる。
そのまま手を空にあげ一振り振り下ろす。
すると赤砂の中から頭が3つある巨大な狼が10頭出現する。
ランクAの魔物『ケノレベロス』だ!
「人間にはちょっと酷な相手かもしれないけど僕を怒らせた事を後悔しながら死ね!」
マリスの言葉と同時にケノレベロスは一斉にフーカに向かって襲いかかる!
神の力のせいでヘイトが全てフーカに集まっているのだ。
だが…
「優し~くチョップ」
「ワンちゃんごめんねタッチ」
「ふんっ」
っと3人が軽く攻撃を加えるだけでいきなり3頭が意識を無くして沈んだ。
そのあまりにも差のある戦闘力に野生の勘で残りの7匹も攻撃を中断した。
特にフーカとサラだけなら警戒しながらも襲いかかったケノレベロスだがゴンザレス太郎だけはあまりにも異質、見た目は人間の子供なのに獣の目には自分達の到底敵わない魔神に見えていたのだ。
「ばかな…人間…だよな?」
その実力の一端を見てマリスもようやく理解する。
先程の威圧も今使用している体の強さがA級冒険者くらいなのでそれにピクリとも反応しなかったゴンザレス太郎達はそれよりもかなり強いと言う事である。
「喰われながら命乞いする姿が見たかったが仕方ない」
再びマリスが手を振ると今度は赤砂から巨大な一つ目のおでこに柱時計の付いた巨人が現れた。
Sランクの魔物『サイクロックス』である。
サイクロックスは持っていた巨大なこん棒で目の前に居たケノレベロスを一掃しそれをそのまま振り上げフーカの上に振り下ろした!
「やったか?!」
マリスはフラグを立てる言葉を口にする。
そしてそのこん棒はフーカに当たる手前、ゴンザレス太郎が片手で受け止めていたのだ!
そして、直ぐに飛び上がったサラの火炎魔法で顔面を焼かれゴンザレス太郎が殴り返したこん棒がその顔面を潰しサイクロックスは生き絶える。
「ふ、ふざけるな!仮にもSランクの魔物だぞ?!」
そして、遂にマリスはそいつを呼び起こす。
赤砂の中から現れたのは戦鬼である。
「ハハハハハ!こいつなら…」
だが戦鬼は出現と同時にサラの炎の矢で頭部を貫かれ絶命する。
その目には鬼に対する憎しみが燃え上がっていた。
「そ、そんなば…」
そして、空に浮いていたマリスはおまけとばかりにサラに炎で射ぬかれて空中で燃え上がる。
「無駄だよ」
すぐ後ろで声がして振り返るとそこに銀髪の少女マリスは立っていた。
すぐさまサラはその腹部を貫く攻撃を仕掛ける!
確かな手応えと流れる血…
「流石魔王の娘だね、躊躇ないんだもんなぁ」
目の前に銀髪の少女は居た。
流石にその光景にゴンザレス太郎とフーカも気を引き閉める。
「やっぱり神ってだけはあるわね…」
サラは腕にもたれ掛かる銀髪の少女の死体を捨て向き直す。
「さて、もうそろそろ飽きてきたし君達の絶望する顔が見たいんで終わりにしようか」
そう告げマリスは再び背中から翼を出す。
「ゴンザレス太郎、フーカ気を付けて!」
サラのその言葉にマリスは目元をピクリと動かしフーカの方を見る。
「ククッフフフ…ふははははは!なんだ、君がフーカだったんだ!探して殺す手間が省けたよ!」
一転して嬉しそうな表情で笑いながら話すマリスの異様な気配が周囲に広がる。
そして、次々と赤砂から生まれて出てくるSランク以上の魔物達…
「もう気付いたと思うけどこの赤砂の正体は魔物の核、これが有る限り無限に魔物は僕の思うままに産み出せ僕自身このお気に入りの体も作れるのさ。さぁ始めようか、君達が力尽きるまで終わらない死のダンスを!」
マリスは空高く浮かび上がり待避し一斉に襲い掛かってくる魔物達!
「居合い50連斬!」
ゴンザレス太郎達の後ろから突然聞こえた叫びと共に物凄い数の斬撃が飛来して目の前の魔物達を一気に細切れにする!
フーカは振り返り笑みを浮かべる。
マコトだけじゃない、ジルにメール、ヤバイやデニム、その他にも沢山の冒険者が馬に乗ったり走ったりして向かってくれていた!
更に空を飛来する魔物が撃墜され見上げると魔物の町からも魔王を筆頭に沢山の味方が向かってきていた。
「ちっ、ゴミがまた増えたか…」
空中で苦虫を噛んだような表情を浮かべたマリスは魔王の放つ闇の球体に飲み込まれて死ぬ。
直ぐに地上の砂から復活したマリスは更にSランク以上の魔物を次々と放つ!
神と異世界の存続を賭けた決戦が今始まる!
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