とんだ私の夢十夜

ふっく

第1夜 その1

気がついたらプレハブ小屋の中にいた。それはもちろん工事現場で使われているような簡素な造りで、テーブル、簡単なクローゼットと窓が2つと言ったところか。その2つあった窓の1つを何の気なしに覗いてみたらそこは、寂れた広場の中心であった。日干し煉瓦を積み上げられたような茶色の建物が周りに建っていたのだが、それよりも真っ先に目が行ったものがあった。


それは、自分より三回り大きな熊であった。


思わず目が合ってしまった、やばい、追いかけてくる

正にその通りであった。案の定、熊が私のいるプレハブへと巨体をぶつける。

ドンドンとプレハブが揺れる

ガンガンと熊が窓を叩く

もう私は怖さに震えていた。早く逃げようとドアに視線を向ける。

そうすると、そのドアノブがガチャ!と大きな音を立てながら何者かが入ってくる。正直絶望していた。他の熊が入ってくるのだと思っていた。しかしそれは違った。中に入って来たのは1人の少女であった。

「追われてるんです!匿ってくださいっ!」

熊見といてなんだったが、正直少女のことはそこまで信用はできなかった。でも、まぁ…そりゃ熊もいたからな…と半ば強引に自分を納得させつつ、このままだとこの子は本当に捕まってしまうという自分の正義感で、彼女を匿うことに決心した。

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