OPEN!!
高月夢叶
第1話【最後の望み】
春、それは新しいことが始まりそうなワクワクの予感のする季節。今、本当ならワクワクが止まらないどころか嫌なドキドキが止まらない。
古風感の不思議な雰囲気のする喫茶店を前に
ボブショートの髪をおもむろに指で触り、意を決したかのように扉を開けて中へと入る。
今、巷で話題の喫茶店でなんでも願いを叶えてくれる喫茶店がある。それがこの喫茶SERENA《セレナ》だ。
私、小野田奈緒子は、この春から社会人となるはずだった。でもその憧れであった社会人としての新生活が崩れ去ろうとしていた
店内に入ると珈琲豆の香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。カウンター席の中央にトスンと座り新鮮な空気を吸い込み辺りを見渡していると向かいから声がかかった。「いらっしゃい。今日は、一人?」カウンターに立つ女性バリスタが笑顔で出迎えてくれた。
「ええ、ちょと嫌なことがあって。」
そこで、マスターが神妙な表情で語りかけてくる
「どうかした?今は長めの春休みかな。」と心中を察する。割れ物の器に触れるように訊かれる。
「とにかく、高校くらい出といたほうがいいよ。
自分の為にね、」
「えっ、いや私、高校生じゃないですから。」
「えっ、じゃあ中学生?」
『中学生でもないですよー』そこは否定する、全力で。
「そっか、卒業したんだね。それじゃあ、私達の仲間入りだね。」とにかっとマスターは微笑みかける。
「どうも、ありがとうございます。」
笑顔が眩しい...
言いはしないけど社会人でもないとゆう......
そうかそうか、嬉しいなー。ブレンドコーヒーだよね。」
わたしが何を注文するのか分かっているといった感じにバリスタの葵さんは訊いてくる。
「はい。」
葵さんは優しく話しを変えてくれて
私は、ブレンドコーヒーを頼む。
目の前で、バリスタがコーヒーを淹れてくれているところを見るのは、好きだ。
目の前で自分の為だけに淹れてくれるコーヒーを見ていると、自分は特別なお客さんだとゆう気持ちになって嬉しくなる。
「そうだ、マスター。私の願いを叶えてくれますか?」
さっそくこの喫茶店に訪れた本題を訊いてみた。
そう、この喫茶店は何を隠そう、
今の自分にはこの望みに賭けるしかない!
そこで、美人バリスタは手のひらを差し出して
尋ねる。
「あなたの...願いは?」とそこで私は迷わず応える
「仕事が、欲しいです!!!」と応える
次の瞬間目の前が眩い光りに包まれるのだった。
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