第12話 佐伯健二彼女を救う
春が来た。
推薦枠ではなく自力で高校の入試を突破した健二は高校生となった。
受験を無事に終え兄に感謝の言葉を伝えた時の事を思い出しながら始業式に参加し健二はその日の夜ある場所へ向かった。
それは前世での記憶で自分も参加して行われた事件の現場。
女子高生拉致監禁事件その監禁先であった。
そして、健二はそこで思わぬ再開を果たす。
監禁されていたのが小学校の卒業式の日に健二に告白をした川崎だったのだ。
この事件の真相はヤクザの地上げであった。
土地を手放さない川崎の親を脅迫する為に地元の不良たちを金で雇いこの事件は起こった。
幸い川崎には一切怪我をさせないように言い付けられておりこの事件の後、警察の調べでは不良達がたまたま見掛けた川崎を連れて出掛けた家出少女という形で片付いた。
暴行や性的何かの後もなく川崎の親も訴えを起こさなかったという事件である。
この町の不良が怖くなったと言う形で引っ越しをして出ていった闇に葬られた事件。
健二は監禁の場所、状況を覚えていた。
夜10時に一人の見張りを残して解散することも。
見張りといっても所詮15歳くらいの少年である、何も起こらなかったらそのまま寝てしまうのは分かりきっていた。
健二は見張りが寝静まり時間にして15分を待ってから行動を開始した。
こんな所で医学の勉強で身に付いたレム睡眠とノンレム睡眠の知識が役に立った事に苦笑しながら健二は彼女を助けた。
外に連れ出して明るいところで川崎だと知った時の健二の驚いた顔に緊張の糸が切れて抱きついて泣いた川崎を慰めて明け方時間を見計らって警察に通報するのだった。
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