第4話 佐伯健二友と出会う
時代が違うのだろう、火傷の怪我も治療費で手を打ち女の子じゃなくて良かったとか話しているのを聞きながら俺は必要以上に目立たなくするのを心掛けようと思った。
俺が求めるのは天才少年や未来を知る予言者ではないからだ。
それからの毎日は退屈ながら充実していた。
来年小学校に入ると言うこともありノートを買って貰ったりする時は値段を見て驚いたりした。
時代はバブルがはじける前なので仕方ないのであろうが毎日をギリギリで過ごしていた自分の価値観とあまりにかけ離れていた。
消費税は無いしこんな小さな手動鉛筆削りが数千円もするしと驚きが溢れていた。
時は流れ小学校に入学した。
まず苦しんだのは習ってない漢字を使わずに学ぶ事だった。
俺の名前が「けん二」って書かれたのは流石に呆れるしか無かったな。
そうそう、友達が出来た。
驚いたことに高校で暴走族に入った時に知り合ったヤツがまさかの同じクラスだった。
名前は広瀬、まさかこの出会いがこいつの運命すら変えるとはこの時は思わなかったけどな。
学生時代の毎日は長く社会に出てからの毎日は短いと以前の人生では実感していたが気付けば俺は9歳の小学3年生になっていた。
人は体感時間を生きてきた長さと比較して感じると言う説を昔聞いたのを思い出して苦笑した。
毎日が楽しい、子供の体は鍛えればどんどん鍛えられ学べば学んだだけ頭に入る。
夏休みになり、俺は広瀬の家族に誘われて一緒に海に来ていた。
そこで前の人生で広瀬から聞いた事件に遭遇した。
子供が浮き輪に捕まりながら流されたのだ。
それを広瀬の父が助けに行った。
俺は浮き輪を持ち海に飛び出した…
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