AM3時返事待ち

僕は手紙を渡すのに、まわりにあやしまれないようにしながらなんとか渡した。

燕ちゃんがそんなリスクを追いながら返事をくれるだろうか?

 仕事にならない…。

チラチラ彼女を見ながら、自分の仕事を進める。彼女は坦々と仕事をこなしている。いやーしかし可愛いなー…。なんて思っていたら、主任から「仁さん!」

って呼ばれ、ヤバい見てるのばれた?

「次休憩まわそうか?」

「あっはい、了解です。」

あーびっくりした。

「向こうの2人声かけておくし、そっちの3人休憩いかせて。」

「了解です。」燕ちゃんはその3人のうちの一人だ。先にその他の2人を休憩に行かせ、最後に燕ちゃんに声をかけに行った。

「休憩行こう。」

すると彼女が手紙を見せながら、

「わたしと、あなたといっしょに?」

ん?

「あー二人で…OK?」

これはひょっとして…

「んぅー…OK!」と笑顔で!

「また日にちと時間言うね!」

「なに?」

「また約束、手紙書く。」

「…OK。」

「じゃあ休憩いっておいで!」

笑顔でうなずく燕ちゃん。

普通に可愛い。

やったー‼

なんて思っても、まわりを気にして迂闊に顔にだせない。また淡々と仕事に戻る。

もどる、

もどる…

戻れるわけがない。

でもさっさと仕事を終わらせて、また語学の教本見ながら、日にちと時間と場所の手紙を書こう!ん?

っていうか何処で待ち合わせたらいいんだ?

彼女は日本に来て3ヶ月。

土地勘ほぼなし、

毎日会社と家の往復。

困った。

二人が確実に会えるのは、会社の駐輪場くらいだ。まぁグダグダ考えても仕方がない。次のステップを進もう!

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