いつもと違う・・・。
うすたく
名前が変わった・・・。
一昨日の事を隠す事なく話す。よく聞いて欲しい。
母親が再婚したのだ。去年両親が離婚して、俺は母親についていった。それはただ単に、母親の方が気持ち的に楽だったからという理由であった。離婚してからはや1年、再婚相手を発見した母親は3日で結婚式を終えた。スピーディーすぎてツッコミが追いつかない。
婚約相手は日本人ではなかった。顔付きはアジア系とも取れる様な雰囲気だが、名前から察するにアジアではないだろう。
「おい
俺の名前を呼ぶのは友達の
なんせ、母親の再婚相手が他国の人だっただけに、俺の名前は『ジョニセフヌ=春樹』なのだ。別に、再婚相手を責めたいわけじゃない。ただ、あれだけの数の日本人がいる中、どうしてキャバクラの接客相手だった外国人を結婚相手にするのかを問いたい。
ていうか、50代でキャバ嬢やってる母親も恐ろしい。随分とユニークなキャバクラだ。
「おーい、春樹生きてるかー?」
子持ち人妻熟女が接客をするキャバクラに果たして行きたいだろうか。俺は断じて行きたくない。まずそんなマイナーな趣味はないし、ましてや人妻とくれば、変に手出しもできない。加えて母親だ。人生初めてのキャバクラでの接客相手が母親だったらどう思う?気まずさのあまり逃げ出すだろう。
「おい!聞いてんのか?ジョニセフヌ!」
「その名前で呼ぶな!!一昨日から気にしてんだよ!」
「こうでもしねーと反応しないだろ。」
弘樹が呆れた表情でそう言う。
「んで、要件はなんだ?」
「ラーメン食い行こうぜ!」
「それだけかよ。」
ラーメン屋に入り、名簿に名前を記す。
数分が経ち、バイトのお姉さんが名簿に目を通すと、少し黙り込んだのち、こう言い放った。
「2名様でお越しの、ジョニセフヌ=春樹様。」
そこらにいた客も思わず吹き出してしまう。今になってフルネームで書いた自分を殺したくなった。
ラーメンを食い終わっては会計を済ませに行く。店員が笑ってるのが腹立たしい。
「ジョニセフヌ様、またお越しくださいませ!」
こんな店二度とくるか!
「おいジョニセフヌ、この後どうする?」
「メンタル崩壊したから帰らせてもらう。」
「えっ、あ、うん。そうか。」
こんな生活、いつまで続くのだろうか・・・。
「俺が将来結婚したら、ジョニセフヌを量産できるんだな・・・。」
いつもと違う・・・。 うすたく @usutaku
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