Come back to me

@tsukayama-kana

第0話 「○○○年 明日の夜」

 「お疲れ様でした」

隣の先輩が立ち上がるのを横目で見ながらもユキはキーボードをうつ手をとめなかった。

ここは、株式会社【定時管理人】の情報課だ。

ふざけた名前の会社の上、定時で帰れるわけでもない。現にユキは、残業中で一緒にいた先輩もたった今帰った。

今日もタクシー帰りになりそうだ…そう思いながら会社の「仕事用」のページからログアウトする。

登録してあるサイトから、あしがつかないように無駄に巡回し3重のパスワードで目的の画面を開けた。

 「あなたは、#02ですね?

  はい/いいえ」はい、だ。

因みにウソだ。

ユキは他人のアカウントで、ここに入らなくてはいけなかった。もちろんこの時代じゃ犯罪だ。

でも理由がある。

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