3-39 サーシャにインベントリをプレゼントしました
翌朝、日も出てないうちに起きだした。
ベッドをくっつけて2つ並べ、キングサイズ仕様になっているそこには4人の全裸の美少女がぐっすり寝ている。
そう……4人の美少女だ。
お泊りした俺は、例のスキルを試しに使ってみたのだ。
【性技】Lv3……ヤバいスキルだった!
元プロの少女3人があっけなく果てるのだ……しかも彼女たちがいうには絶頂中の快感の持続時間が数秒伸びているらしい。
絶頂時間の数秒はかなり長く感じるそうで、全身に鳥肌が立つほどの快楽が得られるとのことだ。
サーシャ・ミーニャ・コロンと3人でニャンニャン、ワンワン、ペロペロ、フハフハやってたら、隣の部屋で聞き耳を立てていたファリエルさんがドアを蹴破る勢いで突撃してきたのだ。
「【音波遮断】を忘れていた……ごめんなさい」
実の娘の喘ぎ声とか、申し訳ないことをしたと反省していたら、斜め上の答えが返ってきた。
「あの、リューク様! 私も仲間に入れてください! 皆だけ気持ち良さそうにしてズルいです!」
「お母さん!? えええ~!?」
これには普段は冷静でおっとりした感じのサーシャも驚いていた。
俺も驚いた。怒られるかと思っていたのに、服を脱いでベッドに上がってきたのだ。
「サーシャ? 止めなくて良いのか?」
「正直凄く複雑な気分です……別々ならいいのですけど、同じベッドで母さんと一緒とか……究極の恥辱プレイです」
「ファリエルさん? どうして?」
「いつも仕事が嫌だとシクシク泣いていたコロンが、嬉しそうに少し前に話してくれたのです……すっっごく気持ち良かったと。ミーニャも言っていました……あれほど気持ち良かったことは一度もないと。流石にサーシャには聞けませんでしたが、隣の部屋で皆の気持ち良さそうな声を聴いていたら我慢できなくなっちゃいました」
3人の顔を見たらうんと頷くので、5Pになっちゃったんだよね。
エルフの体は年齢と違って見た目どおりの10代の体をしていて、やっぱちっぱい属性全開でした。
「私、もうリューク様なしじゃ、生きていけないかも!」
などとファリエルさんは言っていたけど、彼女と違って俺は老化する。
ファリエルさんを満足させられるのも後20年ほどが限界だろう。
男は30を過ぎると急に元気がなくなってくるからね……でも可能な限り頑張る所存です!
そっとベッドから抜け出して服を着ていると、サーシャが気配で目覚めて声をかけてきた。
「リューク様、朝食を食べずに行かれるのですか?」
「うん。侍女たちに何も言ってないから向こうで用意してくれていると思う。無駄にするのも勿体ないので学園に帰るよ」
「そうですか……また、あまり間をおかずにおいで下さいね」
「うん。昨夜はありがとう、とても癒された……皆大好きだよ」
耳を赤らめて照れてくれている。サーシャ可愛いな。嫁にしてあげられないのが申し訳ないくらいだ。元娼婦というだけで、どんな偏見を買うか分かったものじゃない。嫁や妾にすると彼女たちに危険が及ぶ可能性すらある。
俺は国王になる身なので、お相手は最低でも子爵以上でないと、不遜を買ってついてくる貴族もいなくなる。
貴族は家格を重んじる、そのために必死で武功を上げたり、内政に尽力を尽くして王や高官に認めてもらおうと努力するのだ。その国王が家格を軽んじるようなことをすれば、下の者は頑張ることをしなくなってしまう。
ゼヨ伯父様がプリシラを娶らせようとするのはそういう理由もある。実績のない国王になる俺の為に、せめて大国がバックにいると、フォレル国の姫を与えて箔をつけようとしているのだ。
「昨日使った道具はプレゼントなので練習しておくように。保冷庫の中に卵と牛乳、生クリームが入ってるけど、そう長くはもたないので、サーシャにこれをプレゼントするよ」
俺はサーシャにパーティー申請を送って【インベントリ】【一流料理人】【ぱてぃしえ】をコピーしてあげた。
「あの? これはどういうごとでしょう? スキルが増えている? 【インベントリ】? どういったものなのでしょう?」
「時間停止機能のある【亜空間倉庫】の亜種だ。重量制限は3トンなので大抵の物は入れられるだろう」
俺の【インベントリ】は重量無制限なのだが、これはコピーできる人数制限が少ないのだ。重量制限に3トンという制限を付けた劣化版ならそこそこの人数に与えられるので、サーシャにはこっちを与えてあげた。
「そんなことが可能なのですか!? スキルをコピー? 嘘……」
「実際にできているだろう? 材料を移してあげるから【クリスタルプレート】を出して」
【クリスタルプレート】の仕様のなかに、携帯電話の赤外線通信のように、タブレット同士のやり取りで物を転送して移動させられる機能がある。今この機能を使って卵や牛乳を大量に転送してあげている。
「保冷庫の分もちゃんと【インベントリ】に入れておくんだよ? 時間の経過がないから腐るごとがなくなるし、熱いモノは熱いまま、冷たいモノは冷たいまま保管できるので、食事なんかも作り置きしておけば、いざという時に取り出すだけであったかい食事ができるようになる。旅の野営とかで重宝されるよ」
一通り話したところで、サーシャが突然抱き着いて来てキスをしてきた。
「このような凄いスキルをお与えくださりありがとうございます! 母さんの命を救ってくださっただけではなく、このような物まで……きっと恩は返します。如何様にも私をお使いください」
「サーシャ、気持ちは嬉しいけど……あまり自分を軽んじるな。お前は良い女だよ。もっと自信を持って俺に接すればいい。それとこのスキルにはコピーできる人数に制限があるので誰にも内緒ね。コピーできることが世間にバレたら、大金を出しても欲しいと詰め寄られる。脅迫めいた輩も出てくるかもしれない。公爵家にそうそう喧嘩を売るような輩はいないと思うけど、秘密にしておきたい。言っていることは分かるね?」
「はい。これは世間に言っていいようなごとではないです。危険です……決して言っちゃダメです」
「うん。そうしてくれると嬉しい。それとファリエルさんともこうなっちゃったけど、彼女のことも大事にするからね。なんか、サーシャの妹みたいな感じで可愛い人だよね」
「幼いって言うと母さん怒るのですよ。でもありがとうございます。親子共々お世話になります」
学園の自室に直接転移すると、サリエが待ち構えていた。
「ん! 朝帰り!」
「うっ……ただいま。待ってたのか?」
「ん、ナナ様とフィリアに認めてもらった……すぐ報告したかったのに居なかった……朝帰り!」
朝帰りだと、2回言って念を押してくる。
「うん、フォレストに行ったついでにプリンのレシピをサーシャたちに伝授してきたんだ」
俺がそう言った瞬間近付いてきて匂いを嗅いだかと思ったら【クリーン】を3連発された。1回で匂いなんか消えるのに……不快だという意思表示なのだろう。
「なぁ、サリエ……やっぱ外で女の子を囲うのは嫌か?」
「ん! 嫌!」
そうりゃそうですよね……う~ん、でもサーシャたちを手放す気は更々ない。とっても可愛い娘たちなのだ、むしろここで見捨てるなんて外道の所業だ。
「ごめんよ。彼女たちを何があっても切り捨てることはない。今のように不快に思うこともあるかもだけど、妾として家の中に迎え入れることもしない。外で俺が個人的に囲ってるけど、世間に公にすることはしない」
「ん、でも嫌なものは嫌……悪い娘じゃないのはリューク様を見ていれば分かるけど、他の娘とエッチしてくるのは凄く嫌。性処理がしたいなら、私がしてあげる!」
「いや……生理もまだなサリエじゃ……」
怒られた! というよりめっちゃ蹴られてる! 痛いです!
「ごめん! だって、今のサリエに欲情とか犯罪だよ! 『おまわりさーん! この人です!』って指差されちゃうよ!」
「ん! リューク様のアホ! また変なこと言ってごまかそうとする! おまわりさーんってなに! アホ!」
俺はサリエを抱きしめて謝罪した。
「サリエごめんよ、俺は家格や身分で人を判断しない。だからと言って、この世界の約束事みたいなものを無視して反感を買うようなこともしたくない。だから彼女たちを家の中にまで招き入れることはしないし、彼女たちも分をちゃんと弁えていて、無理を言ってくることもない。できれば彼女たちのことは大目に見てほしい」
「ん! ズルい! そんな言い方したら嫌だけど認めるしかなくなる! ナナ様とフィリアと後で相談する……」
「うっ……相談するの? 黙っててほしいな~なんて。ちらっ……」
「ん、私たちより先に子供でもできたら国の存続にも係わってくる。獣人が2人も居るのに、黙って見ていられるはずない!」
「避妊はしているよ! そんな事態にはならないから!」
「ん! そう簡単に信じてあげられない! 後継問題で滅んだ国も一杯ある!」
国王になるとはそういうことも考えないといけなかったんだな……軽々しく外で女遊びをして良いわけないのだ。
「サリエのいうことの方が正しいみたいだ。ちょっと考えを改めるけど、彼女たちは何があっても見捨てないからね」
ちょっと不機嫌なサリエに先導されて、女子寮のナナの部屋に向かうのだった。
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