焼き*、天津*

とある街の中華料理屋にて。


私は、焼き飯と天津麺が大好き。天津麺のない店には二度と行かない。


そんな私が初めての中華料理屋に入ると。


「あれ、ふたつぎ」


友達が厨房にいる。

偶然にも、バイトしてたようだ。


「いやぁ偶然だなぁ。安くしてくれる?」

「するかアホ。なに食う?」

「じゃあ、焼き飯と天津麺」


……友達が固まってる。厨房にいるおっちゃんも固まってる。


「……ホントにいいの?」

「……いや、注文聞かれたら言ったんだけど」

「……まぁ、お前が注文したからいいけど」


……?

いや、よくある注文でしょ。天津麺はともかく。


で。

しばらく待つ。


「はいどうぞ」


そう言って友達が出してきたのは。


「……なあ、なんで焼きそばと天津麺が出てくる?」


麺と麺の合わせ技1本。そんな奇技を繰り出した覚えがない。友達といえそりゃないだろ、と顔を見ると、私以上に戸惑ったは顔の友達が言った。


「いや、お前、焼きそばと天津麺て言ったぞ?」



意外な場所に意外な顔がいた。それに気を取られた不注意。

つまりはそういうことでしょう。


ちなみにその半年後、「焼き飯と天津飯」をやらかしてます。

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