第8話 5月4日 「筍ほり」
五月四日
今日は近くの山で、信二おじさんと一緒に筍を掘りました。
「一緒に行かない」と出かけに真を誘ってみたのですが、黙って首を横に振っていました。近頃は何もする気が起きないのか、ぼんやりと庭を眺めているばかりです。心配だけど、時間が解決するともよく言うわけですし、故郷のゆるやかな流れに身を委ねることも、今の真には必要なんだと思います。あせりは禁物。お互いに。
改めて日記を読み返して気づいたけれど、真の様子を真に向けて書くって何だか変ね。でもこのまま続けます。面と向かって話せないから、しばらくは日記の中で、お母さんは真と会話をすることにするわ。掘った筍は、煮しめと炊き込みご飯にして、ご近所さんに配りました。時期が悪かったのか、少しだけえぐみが強かったです。かしこ。
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