第2話俺を保護してくれた人は 変わった人でした。

「ん、ここどこだよ。」


リオは、見知らぬ部屋で、目を覚ました。誰かが、保護して、ベッドに寝かせてくれたらしい。

体を起こして、そうっと自分の身体をチェックする。

Tシャツの中を覗いたりして短パンの中とか見てガックリ項垂れる。



「……うん。あの神様の言った通り、女の子になってるって事は、夢じゃないんだな。」


リオは、ひとりごちて、部屋の中を見渡す。

これが、ニホンの常識なのかと思う。

なんというか、少女趣味な部屋だ。

壁紙は、淡いピンクで、カーテンもピンクだし、寝かせされてたベッドのシーツもピンク。しかもくま柄である。


「さすがに、この国の常識な訳ないか。よく考えてみたら。多分、個人の趣味だよな。」

「そうよ。可愛いでしょ?」


リオは、独り言に反応した相手を見る。

見た感じは、30代の半ばの女性。ただし、服装が凄い、この部屋のように、少女趣味丸出しの服装。ピンクのワンピースで、フリルやレースがあしらわれて、ブリブリしてるのだ。


「ええ、とっても。素敵ですね。お姉さん。」


リオは、凄い趣味だと思いつつも、誉める。


「あらー、そんなに、誉めなくていいのよ。

それより、あなた、体は、大丈夫なの?家の前に倒れてて、びっくりしたんだから。」

「まあ、大丈夫です。ありがとうございました。助けて頂いて。」


リオは、頭を、下げる。


「そう、よかった。お腹空いてない?」

「少しだけ。」

「じゃ、食べる物持ってきてあげるから、待っててね。」


女性は、部屋を出ていく。


「部屋とか、ファッションは、凄いけど、普通にいい人だな。うん。そういや、忘れてたけど、会話は、普通に出来るって事は、神様の言った通り言語理解出来るんだ。」


リオは、壁に掛けられてるカレンダーを見る。


「えーと、平成2×年と西暦201×年。平成がニホン、日本独自の年号で、西暦が、世界共通の年号なんだ。文字も読めるし、ましてや、知らないはずの事も、分かるのは、神様の言った通りだな。」


リオが神様に付与してもらった、日本の知識や言語理解を確かめてると、女性が食事を持ってきた。


「 食事って言っても、こんな物しかないけど、ごめんなさい。」

「いえ、ありがとうございます。いただきます。」


リオは、お盆にのせられた、おにぎりを手にとりパクついた。


「あのね、食べながらでいいの。あなたの名前と、なんで、家の前で倒れていたのか、教えてほしいの。ちなみに、私は、林原 香苗はやしばら かなえよ。」

「えーと、俺は、リオ・カーティスです。」

「あれー女の子なのに、俺って言うんだあ。俺っ子なんだ。うふふ。いいわあ。」

「香苗さん。笑って、どうしたんですか?」

「別に、なんでもないのよ。ふふ。」


(なんか、ヤバくねーか。この人。俺っ子とか、よくわかんない事言ってるけど。)


リオは、香苗の変な反応に、うっすら、寒気を感じつつ、話を続ける。


「今から、言う事、本当の事です。」


そう、前置きしてから、リオは、自分が、ここに来た経緯を話した。


「すごーい。本当に、そんな事あるのね。ヤバいわ。本物のTS娘に、しかも、異世界人。やっほう、私の夢叶ったわー。神様ありがとー」


香苗は、空に向かって、そんな事を叫んでた。



「やったー、TS娘に、会うのと異世界人と暮らすの夢だったのよ。よろしくねー。リオちゃん。」


香苗は、リオを抱きしめて、頭をグリグリ撫でながら言った。


リオは、頭を撫でられながら、この人、マジで、大丈夫か?と、思いつつ、本気で今後の事を心配した。

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