1幕 1章 5話 それが私の毎日。

最寄駅についた私達はそのまま改札を抜け、ホームで電車を待っていた。

みんな携帯を出し各々のことをしていた。

無言でただひたすら携帯をいじる。

そんなことをしていたら急行電車が来た。



「急行きたねー。じゃーねーあみ、りょーか。」



くうこの家は急行では止まらない駅なので各駅停車の電車を待つ。

ここでくうことはお別れだ。



「「じゃーね」」



私とりょーかの声がハモる。

そうして私とりょーかは電車に乗り込んだ。




私の降りる駅は急行電車で1駅。

りょーかは終点まで乗る。

一緒にいる時間はおよそ5分くらいだ。



「りょーか、さっきはありがとね。キレそうになったの止めてくれて。」



私は先ほどのゼミの出来事のお礼を言った。

りょーかは一瞬なんのことか分からなかったのか、は?という顔をしたがすぐに理解し、



「ほんとだよー!あそこで喧嘩してたら私どうすればいいの。」



といつものりょーかに戻った。

やはり、察していたか。

私がキレそうになっていたことを。



「ごめん。気をつける。」



「大丈夫。結果的に喧嘩にならなかったし。」



「うん‥」



りょーかきっとあとで、くうこから連絡きて愚痴を聞くんだろうな‥。

ゼミの愚痴やら‥‥私の愚痴やら‥‥。



「はあ‥‥」



思わずため息が出てしまった。

悪口を言われるというのは気が重くなる。

胃が痛くなる。

愚痴を言いたいのは私の方だ。



「ため息ついてどうした?さっきのことまだイライラしてる?」



りょーかが心配そうに私に問いかける。

また気を利かせてしまった。



「ああ、なんでもない。大丈夫。」



これ以上心配かけたくない。

私はその気持ちで心配の言葉を蹴った。



「そっか‥」



りょーかもそれ以上何も聞かなかった。







私の降りる駅に到着した。



「じゃーねーりょーか」



「うん、また明日。」



私は電車を降り、別の路線へ向かった。

気付いたらもう空は真っ暗。

これから家に帰って、ご飯お風呂、

そのまま寝て終わりだ。

今日も‥‥いつもと変わらない。

不満を募らせて1日が終わる。

それが私の毎日。




こうしていつも通りの1日が終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る