テナルディエの無慈悲な考え

 あれは女のほうで子供たちを遊ばせてた時だった。俺はそんなのほっときゃいいと思ったね。子供ってのはほっとかれても勝手に遊ぶもんだ。だろ?まあしかし、何がうまくいくかわからねえもんだな。

 いかにもパリふうで女工ふうの女が、自分の子供を俺らの子供と遊ばせ始めた時にゃ、庭の使用料でもふんだくってやろうかと思ったが、そいつが自分の子供、コゼットとかいうらしいが、そいつをうちに預けたいと言い出した時にゃ、随分とおったまげた。なんでもそいつの故郷じゃ子持ちは働けないんだと。なるほど悪い話じゃねえ。だから宿から首を出して言ってやったよ。

「入り目を払え」ってな。

 随分と簡単に騙されてくれた。月に七フラン、準備に十五フラン!んで半年分の前払い!全く馬鹿な女だぜ、三歳ぐれえのガキにそんなかかるはずがねえんだよ。まあとにかくこれで五十フランの借金が何とか間に合った。んで三歳で七フランなら四歳、五歳になれば九フランだ。でかくなるし、たくさん食うようになるしな。支払いが滞るなら、いや滞らなくたって、ぼろを着せて働かせてやれば随分と手間も省ける。!働き手に、月の七フラン!そして食べ物は宿の残飯でいいしな!

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