一言言っておきたい
「まず始めに言っておきますけど、」
「うん、」
「私、あなたよりはるかに年上ですからね?」
「……ヘェ〜そっか、」
はいはい、小さな子供ならではの、「私子供じゃないからね‼︎」的なあれね、うんうん、分かる分かる、
……記憶がないから何も分からないけどね‼︎
「……とか思ってるので始めに訂正しておきたかったのです。」
「うん分かった、分かったから機嫌が悪くなるごとに離れて行くのやめてくれないかな?ハンナちゃんが離れて行くごとになんか暗くなっていってる気がするから。」
「あぁ、それは気のせいではないですよ?」
言ってるそばから離れていくハンナちゃん、そしてハンナちゃんが離れていくごとに辺りが暗くなっていく。
「マジだ。そしてもう分かったからそれ以上離れないで下さい暗いのあんまり好きじゃないんです。」
さっきの目が覚めたら明けることのない暗闇、という状況でもう気が変になりそうだったからね‼︎
……どうやら自分は暗いのが苦手らしい。
「”あなたがいないと僕はダメなんだ”的なアレですか?年端もいかない女の子にそんなこと言うなんて……犯罪ですか?」
「何でそうなる⁉︎大体君さっき俺より年上っていったよね?」
「いいえ?言ってませんが……」
ここでしらばっくれやがった、
「……ふふっ、冗談です。」
「オイ⁉︎」
結局どっちなの?
ホント、何がしたいんだか、
……まぁ、いっか、
なんか、ここへきて初めて笑ったハンナちゃんの笑顔を見てると、少しだけ気が楽になったし、今回のことは許してあげることにする。
それより聞かねばならないこともあるし、
「じゃあハンナちゃん」
と話を進めようとしたのだが、
「そのハンナちゃんって言うのやめてもらえませんか?バカにされてるみたいでなんかイラっときます。」
「うん、分かった、やめるからそれ以上離れないで」
……気を取り直して、
「なっ、何て呼べばいいかな?」
「……う〜ん、実はそのタメ口も(恥ずかしいので)やめてもらいたいのですが……まぁいいでしょう、私とあなたの仲です!(これを機に慣れるとしましょう)」
いつから仲良くなったのだろう。
「ありがとう」
とりあえずお礼を言っておく。
「そして名前は呼び捨てでお願いします。」
アレ?
ちゃんはダメなのに呼び捨てはいいの?
「いいの?じゃなくて私がそうして欲しいのです。」
なんか面倒臭いな、この子……
「ササッ……」
「……謝るからそれ以上離れないで」
もう暗闇がすぐそこまでやって来ている。
「そばにいて欲しいですか?」
「うん、そうだね」
「〜♪」
あっ駆け寄って来た。
ますます彼女と自分の関係が分からなくなっただけな気がする俺なのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます