食材の檻

常陸乃ひかる

一食目 光田未来

いただきます

 一般家庭で育った人間であれば、死ぬまでに一度は行う行事である。

「お誕生日おめでとう!」と子供の成長を喜びながら出前を取る。

「合格祝いよ」と進路が決まった子供のため、料理に腕を振るう。

「今日で結婚一年目だね」と洒落たお店で不慣れなナイフとフォークに振り回される。

 めでたい席には、十中八九ご馳走が並べられる。

 ある国では、食べる前にいただきますと手を合わせ、皿の料理を平らげたあと、最後にごちそうさまと言う。表現の形は違っても感謝を表す気持ちは万国共通である。

 それを踏まえた上での余談だが、秘密へ介入し続けると一般の生活は続けられない。また、郷に入っては郷に従いたくない時でも、なるたけ従った方が良い場合がある。

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