短歌でも読んでいかないか
工藤吉生(くどうよしお)
第1集 夢想とびちる
ひとすじの飛行機雲がのびてゆき秋のあおぞら完全となる
警官が近づいてきてオレの持つ夢想とびちる日暮れの街に
暮れかけの芝生に犬と飼い主はとどまっている時間とともに
日の沈むほうへ歩いて太陽のスパートにあう秋のはじまり
内側の疲れほぐしている道を簡易トイレは運ばれてゆく
帯分数は習う必要ないという意見も載ってこども新聞
光源のせいで三つの影を持つ自分に慣れて中年になる
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